トランジスタ
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1947年12月23日に発明された最初のトランジスタ(複製品)様々なトランジスタ

トランジスタ (transistor) は増幅、またはスイッチ動作をする半導体素子で、近代の電子工学における主力素子である。「変化する抵抗を通じての信号変換器(transfer of a signal through a varister または transit resistor)」からの造語である。

俗称として「」がある(真空管を「球」と呼んだことに呼応する)。たとえばトランジスタラジオなどでは、使用しているトランジスタの数を数えて、6石ラジオ(6つのトランジスタを使ったラジオ)のように言う場合がある。

デジタル回路ではトランジスタが電子的なスイッチとして使われ、半導体メモリマイクロプロセッサ・その他の論理回路で利用されている。ただ、ICの普及に伴い、単体のトランジスタがデジタル回路における論理素子として利用されることはほとんどなくなった。一方、アナログ回路中では、トランジスタは基本的に増幅器として使われている。

トランジスタは、ゲルマニウムまたはシリコンの結晶を利用して作られることが一般的である。そのほか、ガリウム - ヒ素(GaAs)などの化合物を材料としたものは化合物半導体トランジスタと呼ばれ、特に超高周波用デバイスとして広く利用されている(衛星放送チューナーなど)。
目次

1 歴史

2 動作の原理

2.1 増幅作用

2.2 スイッチング作用


3 トランジスタの種類

4 型番

5 関連項目

6 参考文献

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歴史

トランジスタは、1948年6月30日にAT&Tベル研究所のウォルター・ブラッテンジョン・バーディーンウィリアム・ショックレーらのグループによりその発明が報告されている(この功績により、1956年ノーベル物理学賞受賞)。

この前年の1947年に、日本においてNHK技術研究所の内田秀男がすでにトランジスタに相当する増幅回路の発明を報告していたが、GHQの検閲を受け、発表が取り消された経緯があるとする説がある。しかし、当時の日本では高純度のシリコンやゲルマニウムの結晶を入手できなかった以上、信憑性が低いとする説もある(99.999999999%((イレブンナインと呼ばれる))以上の非常に高純度のシリコンが現在では使われている)。背景についてはNHKスペシャル 電子立国日本の自叙伝 第2回 「トランジスタの誕生」 において、アメリカでトランジスタが開発されたと聞いた多くの技術者が追試を試みたが、そのときですら高純度の半導体が手に入らなかったと放送されている。また、最初のトランジスタである接触型トランジスタは、高純度の半導体結晶の表面における電子的性質の研究の過程で発見された。日本では1954年頃に東京通信工業(現ソニー)で国産化され、翌1955年に同社からトランジスタラジオが商品化されたといわれている。

1960年代に入ると、生産歩留まりが上がってコストが下がり、また真空管でしか扱えなかったテレビのような高い周波数でも使えるようになったため、各社から小型トランジスタラジオやトランジスタテレビが発表される。さらに高い電力やUHFでの使用が可能になる1970年までには、家庭用テレビやラジオから増幅素子としての真空管が姿を消す。

トランジスタはその後も集積度を高めて、ICやLSIといった集積回路へと進化する。


動作の原理NPN型トランジスタの模式図

ここではNPN接合(端子は順にエミッタ、ベース、コレクタ)のバイポーラトランジスタ(後述)を例にとり説明する。
前提として、エミッタとコレクタはN型半導体 (N: negative) であるため電子が過剰にあり、ベースはP型半導体 (P: positive) であるため電子が不足(正孔を持つ)している。すなわち単体ではそれぞれをキャリアとして電流が流れる。またベースは幅を非常に薄くしてある(数μm程度)。(実際には、エミッタとベースとの接合面積も小さく、また、エミッタの不純物濃度はベースやコレクタと比べ高くしてある。)

まずエミッタ - コレクタ間に、エミッタ側を (-) として電圧をかける。このとき電流は流れない。
エミッタの電子がコレクタ側 (+) に引き寄せられてベースに流れ込み、そこにある正孔と結合する。ベースの正孔は数に限りがあり、全てが電子と結合してしまうとベース内にキャリアが存在しなくなる。その結果電子の移動が停止する(エミッタ - コレクタ間には空乏層が形成されている)。

また、コレクタ内の電子も (+) 極に引き寄せられて移動するが、コレクタへは新たな電子の流入がないため、コレクタの電子が全て (+) 極の正孔と結合した時点で電子の移動が停止する。


ここで更にエミッタ - ベース間に、エミッタ側を (-)(PN接合に対する順方向)として電圧をかける。このときトランジスタ全体に電流が流れる。
ベースには新たに正孔が流入するため、エミッタに存在する電子がベースに向かい移動する。

移動した電子のうち一部はベース内の正孔と結合するが、ベースは非常に薄い層であるため、大部分の電子はコレクタに引き寄せられてベースを通過してしまう。

結果、電流がトランジスタ全体に流れ、エミッタ - コレクタ間の電流はエミッタ - ベース間の電流に従って変化することになる(増幅)。各部はそれぞれ「ベース電流を土台とし」「エミッタが放出した電子を」「コレクタが受け取る」という名前通りの働きをする。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki