イギリスの経済学者
経済学者 T・R・マルサス
名前:Thomas Robert Malthus
生年月日:1766年2月13日
没年月日:1834年12月23日
学派:古典派経済学
特記すべき概念:『人口論』を著した
トマス・ロバート・マルサス(Thomas Robert Malthus、1766年2月13日 - 1834年12月23日)はイギリス経済学における〈古典派〉の代表的経済学者、人口学者。リカードの親友で、かつ最大の論敵として知られる。
目次
1 生涯と学説
2 『人口論』
3 主著
4 関連項目
5 外部リンク
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豊かな家庭に生まれ、父親はヒュームの友人、ルソーの知人でもあった。自宅での養育を経てケンブリッジ大学のジーザス・カレッジへ入学する。在学中、朗読、ラテン語、そしてギリシャ語について賞をもらった。当時の主な研究テーマは数学で、修士号の取得後フェロー職に選出されてもいる。1798年サリ州のアルバリ(Albury)の副牧師となり、のちヘーリバリ(Haileybury)の東インド会社附属学院の近代史および経済学教授となる(1805年来)。遺伝性の口唇口蓋裂症の持病があったため、1833年まで肖像画を残そうとしなかった。(現存の肖像画は整形手術を受けた後のもの)マルサスは1804年に結婚、3人の子供をもうけている。
ゴドウィンの《政治的正義》(Political justice, 1793年)などに見られる社会主義思想を批判して、主著『人口論』(An essay on the principle of population as it affects the future improvement of society,1798年)を書き、理想社会の実現に関する批判的な見解を発表した。また彼の『経済学原理』(Principles of political economy,1820年)は、リカードに反対して富・労働・価値・差額地代・恐慌などに関する自説を述べたものであるが、地主および資本家を擁護する立場をとっている。リカードの説く貿易による産業進歩を善きものと見ることができない、反動的な経済学説とも言えるが、一方、20世紀になって恐慌の原因として注目されるようになった〈過剰貯蓄〉の説がすでにマルサスによって考えられている。つまり、「利潤の中に消費されない貯蓄が生まれ、すべての所得が消費に回るとは限らない」という知見である。これが過剰生産と過少消費、恐慌の原因であるとマルサスは考えた。しかし、マルサスとの往復書簡の中でリカードは、過剰生産は一時的な現象であり、貯蓄や遊休資本は適切な産業へ速やかに移動することで解消されうる、と反論する。そのリカードの恐慌論(というより、恐慌は自由放任経済のもとでは長続きできないという見解)が主流となったため、ホブソンとケインズが採りあげるまでは、〈過剰貯蓄〉の含意は古典派経済学では葬り去られた。
マルサスの経済学についてカーライルが、経済学を「陰鬱な科学」と呼んだという説があるが、カーライルのこの言葉はジョン・スチュアート・ミルのエッセイに対するもので、マルサスの著作に直接向けられたものではない。
上述のように『人口論』は1798年にゴドウィンやコンドルセなどの社会改良・改革の思想に対する反論として書かれたが、この初版は匿名で出版された。
人口は、制限されなければ幾何級数的に増加する。生活資料は算術級数にしか増加しない。多少なりとも数学を知っていれば前者の力が後者のそれに比してどれほど大きいものか、直ぐにも理解できるであろう。
言い換えるなら、物資の増大が人口の増大に追いつかない以上、過剰人口による貧困の増大は避けられないというのが彼の"人口法則"の論旨である。これに対する方策として、初版では、疫病・戦争・飢饉などを過剰人口への自然による救済であると示唆し、これらの苦難こそが人間の精神をより高くするものと説いたため、社会から広く反発されたが、マルサスとしては、論理のおもむくところをそのままに表現したにすぎなかったであろう。この学説は、人間の不幸を宿命論的な自然法則の結果であるとし、これにより資本主義社会の矛盾を合理化して社会改革思想に反撃を加えたものである。著者名をつけて出版された、同書第二版(1803年)において過剰人口に対する方策として、禁欲を伴う結婚年齢の延期、即ち〈道徳的抑制〉が加えられる。初版と第二版以降では、かなり様相が変わっており、主眼も、社会改革思想に対する批判から救貧法批判に移っている。その後も版を重ねるたびに増補されていき1826年に出された最終の第6版は初版の約5倍の語数に達している。
前記のほか:
Observation on the effects of the Corn Laws,1814;
An inquiry into the nature and progress of rent,1815;
The grounds of an opinion on the policy of restricting the importation of foreign corn,1815;
The measure of value stated and illustrated,1823
Definition in political ecconomy,1727
関連項目
チャールズ・ダーウィン
外部リンク
⇒マルサス トマス・ロバート:作家別作品リスト(青空文庫)
カテゴリ: イギリスの経済学者 | 19世紀の社会科学者 | 古典派経済学 | 1766年生 | 1834年没
更新日時:2008年8月3日(日)01:17
取得日時:2008/08/08 16:30