タンパク質(蛋白質、たんぱくしつ、protein)とは、L-アミノ酸が多数連結(重合)してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分のひとつである。学術用語としては「タンパク質」と表記する。
連結したアミノ酸の個数が少ない場合にはペプチドもしくはポリペプチドと呼ばれることが多いが、名称の使い分けを決める明確なアミノ酸の個数が決まっているわけではないようである。
なお「蛋白質」の「蛋」とは卵のことを指し、卵白(蛋白)がタンパク質を主成分とすることによる。栄養学者の川島四郎が「蛋白質」では分かりにくいとして「卵白質」という語を使用したが、一般的に利用されるにはいたらなかった。
目次
1 構造
1.1 一次構造
1.2 二・三・四次構造
1.3 一次構造と高次構造の関係
1.4 プロテオーム
1.5 タンパク質の構造と機能
1.6 タンパク質の折り畳み
1.7 立体構造の決定
2 物性
2.1 熱力学的安定性
2.2 モルテン・グロビュール状態
2.3 熱変性・低温変性
2.4 酸変性・アルカリ変性
2.5 圧力変性
2.6 変性剤による変性
3 機能
4 組成
5 タンパク質の栄養価
6 タンパク質の定量法
7 関連項目
8 外部リンク
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詳細はタンパク質構造を参照
タンパク質は以下のような階層構造をもつ。
一次構造 - アミノ酸配列
二次構造 - αヘリックス、βシート、ランダム構造
三次構造 - タンパク質全体の構造
四次構造 - 多量体
詳細は一次構造を参照
タンパク質はアミノ酸のポリマーである。このアミノ酸の配列をタンパク質の「一次構造」とよぶ。あるアミノ酸のカルボキシル基 (−COOH) が別のアミノ酸のα-アミノ基(−NH2)と脱水縮合して酸アミド結合(−CO−NH−)を形成することでアミノ酸がポリマーとなりタンパク質を形成する。このタンパク質のアミノ酸の連結にみられる酸アミド結合をとくにペプチド結合とよぶ。このポリマーの末端の結合していないα-アミノ基 側をN末端、カルボキシル基 側をC末端とよぶ。
アミノ酸の配列は、遺伝子の本体である物質・DNAの塩基配列により決定される(3個のヌクレオチドにより、1つのアミノ酸が指定される)。ペプチド結合してタンパク質の構成成分となった単位アミノ酸部分(−NH−CH(−R)−CO−)をアミノ酸残基と呼ぶ。それぞれの残基は、側鎖置換基 R の違いによって異なる性質をもつ。
残基間の相互作用(水素結合)により、単なる直鎖であったペプチドが折りたたまれて(この畳み込みをフォールディング(folding)と呼ぶ)αヘリックス(螺旋)構造やβシート構造などの二次構造をとり、さらにはタンパク質全体としての「三次構造」をとることになる。三次構造の中には二次構造の特定の組み合わせが見られ、このような単位を超二次構造と呼ぶ場合がある。また、三次構造の中でも、立体的に見てまとまった領域をドメインと呼ぶことがある。タンパク質の中には、複数(場合によっては複数種)のポリペプチド鎖がまとまって複合体を形成しているものがあり、このような関係を四次構造と呼ぶ。
タンパク質の立体構造は、そのアミノ酸配列(一次構造)により決定されていると考えられている(Anfinsenのドグマ)。また、二次以上の高次構造は、いずれも一次構造で決定されるアミノ酸配列を反映している。