タンカー (tanker) とは、液体を輸送する船舶及び航空機のこと。船体内に大型のタンク(液槽)を設置していることからタンカーと呼ばれる。
一般に石油タンカーを「タンカー」と呼ぶことが多いため、液化天然ガス(LNG)を輸送する船はLNGタンカー、化学物質を輸送する船はケミカルタンカーなどと特に区別して呼ばれる。石油タンカー
空荷のため舵とバルバス・バウが水面上に出るほど浮いている。
目次
1 船舶
1.1 油槽船
1.1.1 歴史
1.2 LNGタンカー
1.3 LPGタンカー
1.4 給油船
1.5 砕氷タンカー
2 航空機
2.1 油槽機
2.2 水槽機
3 出典
4 関連項目
5 外部リンク
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船艙がタンクになっている船舶を「タンカー」と呼ぶ。
タンカーは通常、石油類を輸送する油槽船を指す。搭載する油種は原油のほか、精製された重油、軽油などを扱う「プロダクト・タンカー」と呼ばれる船もある。第二次世界大戦後は、主に中東産原油の輸送を行うために、経済性の高い超大型タンカーが作られ、1976年には世界最大の55万重量トンの原油タンカーが建造されたがその後の大型化は沈静化している。
低速で航行する巨大な油槽船は、大きければそれだけ燃費が向上するため可能であればますます大きな船体が求められる。他の大型貨物船とは異なり、大型タンカーの油の積卸しには岸壁ではなく、シーバースが使われることがほとんどであり、喫水によって港で制約を受けることがない。しかし一方で、通過できる運河や海峡が制約されて不経済な遠回りの航路を強いられる、長時間の荷役にかかる時間のロス、機関やプロペラなどが特殊なものとなる、など大型化による不利益な面も多くあるため、あまり大きな油槽船は作られていない。21世紀初頭の現在は、30万重量トンが最大級である。
軍用のタンカーは、補給艦・給油艦などの艦種名を名乗り、燃料の輸送のほか、他艦船へ洋上給油を行うための設備を持つ。
外観
油槽船は平たい甲板上に多数のパイプが走っているため、輸送船の中では比較的分かりやすい姿をしている。安全確保のために機関室を油槽と離す必要があり、ほぼすべての船で船尾に機関室と船橋、居住区画が置かれる「アフトエンジン形式」になっている。
大きさによる分類
原油輸送を中心とする大型タンカーは大きさによっていくつかに分類される。
ULCC:Ultra Large Crude Oil Carrier 30万重量トン以上
VLCC:Very Large Crude (Oil) Carrier 20-30万重量トン 21m
スエズ・マックス:Suezu Max 15万重量トン 18m(→21m 2010年)
アフラ・マックス:AFRA Max 約10万重量トン
パナマックス:Panamax Max 5万〜8万重量トン 最大幅32.2m
VLCCまでが中東日本間での原油輸送時にマラッカ海峡の最大喫水21mを通過できるため、日本への原油輸送の主力を担っている。2010年にスエズ運河の浚渫作業が終われば21mのVLCC相当になる予定である。
二重船殻構造
1989年にアラスカ沖で発生したタンカー「エクソン・バルディーズ号」の座礁事故で、原油流出による大規模な環境汚染が発生したため、1992年よりIMO(国際海事機関)の取り決めで1993年7月以降に建造契約されるか、または1996年以降完成の積載重量600トン以上の新造油槽船については二重船殻(ダブルハル:Double Hull)構造とし、既に建造済みの単底(Single Bottom)タンカーの廃船を促すなど、事故発生時の環境負荷リスクの低い油槽船への切り替えが義務付けられた。
一重船殻構造
2001年4月に開催された国際海事機関(IMO)内の海洋環境保護委員会で、MARPOL(海洋汚染防止)条約対象シングルハル・タンカーの使用を原則船齢25年で順次廃止し、最終使用期限も原則2015年に決定された。2002年9月1日発効。
カテゴリー1 2万重量トン以上で1981年以前のMARPOL条約対象建造船 - 2003年から2007年間に船齢順に廃止。
カテゴリー2 2万重量トン以上で1982-1996年MARPOL条約対象建造船 - 2003年以降船齢25年のタンカーから順次廃止。
カテゴリー3 5千重量トン以上2万重量トン未満のMARPOL条約対象外建造船 - 2003年以降船齢25年のタンカーから順次廃止。
例外事項
旗国の許可により、2017年まで使用可能。
MARPOL条約終結国は、2015年以降においてシングルハル・タンカーの入港を拒否できる権利を有する。
ミッドデッキ構造
日本発の建造規格である。原油タンクを上下の2層に分け、船側だけを二重構造にしている。上下のタンクを分ける中間デッキが喫水線より下にある点が重要で、これにより下のタンクの原油の圧力は常に周囲の水圧よりも低く保たれる為、衝突・座礁によって下部タンクに穴が開いても海水より比重の軽い原油はタンクの上方へ押しやられ、理論上は原油が漏れる事が無い。国際海事機関(IMO)海洋環境保護委員会でも、ダブルハル構造と共に1993年7月以降建造が認められている。
隔壁
油槽内の油は流動性を持ち「復原性に対する自由水影響」を避けるために、多数の隔壁によって細かく仕切られている。
安全空間の確保
機関室は安全のため、タンクの後方に配置し、タンクとの間を空き部屋やポンプルーム、燃料油により隔離するように海上人命条約は求めている。また空荷で荒天の場合でもプロペラが水面上に出ないように原油タンク内への注水を避けるために、十分なバラストタンクの設置が国際条約で定められている。