界:動物界 ⇒Animalia
門:節足動物門 ⇒Arthropoda
亜門:甲殻亜門 ⇒Crustacea
綱:軟甲綱 ⇒Malacostraca
亜綱:真軟甲亜綱 ⇒Eumalacostraca
上目:ホンエビ上目 ⇒Eucarida
目:十脚目(エビ目) ⇒Decapoda
亜目:抱卵亜目(エビ亜目)
⇒Pleocyemata
下目:異尾下目(ヤドカリ下目)
⇒Anomura
科:タラバガニ科 ⇒Lithodidae
属:タラバガニ属 Paralithodes
Brandt, 1849
種:タラバガニ P. camtschaticus
学名
Paralithodes camtschaticus
(Tilesius, 1815)
和名
タラバガニ
英名
Red king crab
タラバガニ(鱈場蟹)Paralithodes camtschaticus は、十脚目(エビ目)・異尾下目・タラバガニ科に分類される甲殻類の一種。食用に珍重され、分布域の沿岸では重要な水産資源の一つとなる。名前に「カニ」とあるがヤドカリの仲間である。
和名は生息域がタラの漁場と重なることに由来し、学名の種小名"camtschaticus"は分布域内にあるカムチャツカ半島に由来する。種小名は女性形 camtschatica が用いられることもあるが、属名の Paralithodes は男性形なので、同じく男性形の camtschaticus を使用するのが望ましい。
目次
1 特徴
2 分布・生態
3 利用
4 近縁種
4.1 景品表示法違反事件
5 参考文献
6 外部リンク
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甲幅は25cmほど、脚を広げると1mを超える大型甲殻類である。全身が短いとげ状突起でおおわれる。食用として流通する際は茹でられて赤橙色になったものが多いが、生体は背中側が暗紫色、腹側が淡黄色をしている。
甲は丸みがあり、やや前方に尖った五角形をしている。両脇が盛りあがり、複眼間に尖った額角、中央に"H"型の溝がある。なお、心域(H字の中央下の区画)に6つの突起があり、ここで近縁種のアブラガニ(突起が4つだけ)と区別できる。
5対の歩脚のうち、第1歩脚は鋏脚で、右の鋏が左より大きい。太くて長い歩脚の中では第3脚が特に長い。第5歩脚は小さくて鰓室に差し込まれており、鰓の掃除をする役割がある。このため外見はほぼ「カニ」だが、脚が3対しかないように見える。他にもメスの腹部の左右が異なり、腹肢が左側のみにあることなど、ヤドカリ類の特徴がある。また、カニは横方向に移動するのが一般的だが、タラバガニは縦方向に移動できる。タラバガニの腹側(メス)。カニ類と違い、腹部が左右対称ではない
日本海、オホーツク海、ベーリング海を含む北太平洋と北極海のアラスカ沿岸に分布する。
成体は水深30-350mの砂泥底に生息するが、若い個体は浅い海にも生息する。食性は肉食性で多毛類、貝類など様々な小動物を捕食する。一方、天敵は人間以外にもオオカミウオやミズダコなどがいる。
なお、ロシア・ノルウェー国境沖のバレンツ海には分布していなかったが、1960年代に旧ソビエトの科学者がバレンツ海に放流し繁殖させることに成功した。1980年代後半からノルウェー沖でも生息が観察されるようになり、現在でも分布域を広げつつある。この個体群はロシア・ノルウェー両国で漁業資源として利用されているが、外来種として生態系へ与える影響を心配する声もある。
日本における主な漁場はオホーツク海で、沖合底引き網や刺し網で漁獲される。かつては蟹工船があり、漁獲したものを海上で缶詰にまで加工していた。
日本では「農林水産省令・「タラバ」蟹類採捕取締規則」という法令により、メスの採捕が禁止されているが、販売についての規制は特になく、ロシアからの輸入品が「子持ちタラバ」として流通する。
塩茹でや蒸しガニとして流通することが多く、そのまま食べる以外にも様々な料理に使われる。半透明の生身を刺身で賞味することもあるが、加熱したものより繊維質が強靭で、旨みも薄い。
北日本沿岸に分布するタラバガニ属 Paralithodes として、タラバガニの他にアブラガニ P. platypus、ハナサキガニ P. brevipes の2種類が知られる。