タブロイド(Tabloid)とは、新聞の用紙サイズで開いた時に約23.5インチ×14.75インチ(597mm × 375mm、A2判に近似) となる判形のこと。このサイズは新聞紙の二種類のスタンダードサイズのうち小さい方であり、大きい方はブランケット判(英:broadsheets)と呼ばれる。
また、元々このサイズを採用していた新聞がセンセーショナルな事件報道やゴシップ報道などに力を入れる大衆紙であったことから、「タブロイド」という語は大衆紙の報道スタイルを連想させる。
目次
1 概要
1.1 イギリス以外でのタブロイド紙
2 日本の「タブロイド」(大衆紙)
3 英国のタブロイド紙
4 アメリカ合衆国のタブロイド紙
5 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のタブロイド紙
6 関連項目
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「タブロイド」の名称は19世紀末の英国に起源がある。「タブロイド」という語は、元々はある製薬会社が「凝縮されたタブレット(錠剤)」を意味する新語として用いたものだが、「凝縮された」という意味から、読んですぐにわかるように簡略化して書かれた報道記事についてもこの語が用いられるようになった。1901年には既に「タブロイド・ジャーナリズム」という用例が確認されている。実際にタブロイド・サイズの新聞紙が登場したのは1918年であり、紙のサイズよりも前に報道スタイルとしての「タブロイド」が存在していたことが確認できる。
20世紀には、娯楽、ゴシップ、スポーツ、芸能に力をいれた大衆紙がタブロイド・サイズを採用することが多かったことから、英国においては「タブロイド」は大衆紙の代名詞にもなった。換言すれば、英国では「タブロイド」といえば「ゴシップ報道ばかりで信頼性には疑問のある新聞」という連想がある。
ただし、最近では一般紙(高級紙)でも、扱いやすさからこのサイズを使うことが増えている。特に英国の新聞各紙は小型化を推進しており、ブロードシート判を使用していた一般紙のほとんどがタブロイド判やそれに類似した小型のサイズへの切り替えを完了している(2007年7月の時点で、大型の紙を使っている全国紙はデイリー・テレグラフ紙のみ)。なお、小型化された新聞はもはや「ブロードシート」ではなくなったが、「タブロイド」という語は「ゴシップ報道ばかりである」といったことを連想させるため、これら一般紙については「コンパクト判」などといった呼び方がなされる。
これに加え、最近は、「タブロイド」といえば週刊あるいは隔週刊で発行されるタブロイド・フォーマットの新聞を指すこともあるが、これらの多くは、内容的にはいわゆる「タブロイド新聞」ではなく一般紙であることにも注意が必要である。これらは都市部の公共交通機関のなかでも読みやすいサイズとして採用されたものである。なお、これら週刊・隔週刊紙は「オルタナティヴ」な新聞とも呼ばれる。日刊紙と比べてより地域に密着したのメディアであり(その地域のイベント情報なども掲載されている)、また日刊紙と異なり大メディア企業から離れた編集がなされているためである。また、広告で経費をまかなう形で運営されており読者には無料で配布されている点も、メジャーな日刊紙とは異なっている。
タブロイドは、紙のサイズとしても報道スタイルとしても、英国外に広がっていった。1919年には既にアメリカ合衆国でニューヨークデイリーニュースが創刊されている。ただしアメリカではゴシップ偏重の報道様式はあまり広がらず、したがって「タブロイド」といえば単に紙の大きさのことだと受け止められる傾向があるという点が、英国とは大きく異なる。
中国でもタブロイド紙が発行されており、1990年代中頃以来人気が爆発している。これらのタブロイド紙では政府に批判的な編集方針がとられ、また調査報道も行なっているが、これは報道検閲ぎりぎりである。
このほか欧州各国やオーストラリア、ロシア、ウクライナ、グルジア、アルゼンチン、オマーンなど世界各国でタブロイド判(コンパクト判)の新聞が発行されているが、その報道スタイルは英国のタブロイド紙のような扇情的なものとは限らない。日本ではスポーツ紙や「日刊ゲンダイ」「夕刊フジ」などが「タブロイド(大衆紙)」、一般紙が「高級紙(一般紙)」とほぼ考えてよい。
日本の「タブロイド」(大衆紙)
萬朝報(タブロイド判)
夕刊フジ(タブロイド判)
日刊ゲンダイ(タブロイド判)
内外タイムス
産経エクスプレス(タブロイド判)
TOKYO HEAD LINE(タブロイド判)
また日本ではスポーツ新聞がブランケット判ではあるが大衆紙として確固たる地位を築いている。特に「東京スポーツ」と系列紙は高度な「タブロイド思考」として知られる。
機関紙では「しんぶん赤旗日曜版」(日本共産党)、「プレス『民主』」(民主党)、新社会党の「週刊新社会」などがタブロイド版で発行されている。「しんぶん赤旗日曜版」は英国大衆紙的な内容では決して無いが、タブロイドサイズを生かした大きな見出しの紙面レイアウトは大衆紙に共通するものがある。