?タガメ
伊丹市昆虫館での展示
種の保全状態評価
絶滅危惧II類 (環境省レッドリスト)
分類
界:動物界 ⇒Animalia
門:節足動物門 ⇒Arthropoda
綱:昆虫綱 ⇒Insecta
目:カメムシ目(半翅目) ⇒Hemiptera
亜目:カメムシ亜目(異翅亜目)
⇒Heteroptera
下目:タイコウチ下目 ⇒Nepomorpha
上科:タイコウチ上科 ⇒Nepoidea
科:コオイムシ科 ⇒Belostomatidae
亜科:タガメ亜科 ⇒Lethocerinae
属:タガメ属 ⇒Lethocerus
種:タガメ L. deyrollei
学名
Lethocerus deyrollei
(Vuillefroy, 1864)
和名
タガメ(田亀、水爬虫)
英名
⇒Giant water bug
タガメ(田鼈、水爬虫)は、カメムシ目・コオイムシ科に分類される昆虫の一種。日本最大の水生昆虫で、日本最大のカメムシでもある。
背中に高野聖が笈(おい)を負ったような斑点があるので「高野聖」とも呼ばれる。
目次
1 特徴
2 繁殖行動
3 近縁種
4 関連項目
5 参考文献
6 外部リンク
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成虫の体長は50-65mm。雌の方が大型で、雄の60mm以上に達するものは稀である。
体色は暗褐色で、若い個体には黄色と黒の縞模様がある。タイコウチに似るが、本種の方が尻の呼吸管が短いことで識別できる。前肢は強大な鎌状で、獲物を捕獲するための鋭い爪も備わっている。中・後肢は扁平で、遊泳のために使われる。
肉食性で、魚やカエル、他の水生昆虫などを捕食する。鎌状の前脚で捕獲し、口吻を突き刺して消化液を送り込み、消化液で溶けた肉液を吸う。自分より大きな獲物を捕らえることも珍しくない。その獰猛さから「水中のギャング」とも呼ばれる。
北海道を除く日本全土に分布するが局所的。国外では台湾、朝鮮半島、中国に分布する。なお中国では漢方薬の原料として用いられる。
水田や水草が豊富な止水域に生息するが、農薬の普及や護岸などの環境破壊によって近年その数を急激に減らし、絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)に分類されている。都府県によっては絶滅危惧I類に指定している自治体もある。豊かな自然環境下[要出典]でしか生息できないため、水辺の自然度を測る時の指標になる種と言える。
タガメはカブトムシ等と同様、純自然的な環境ではなく、むしろ人の手の加わったいわゆる里山で繁栄してきた昆虫である。彼らにとって、自然の河川や湖沼は流速や水深がしばしば過剰であり、獲物となる適当な大きさの水生小動物も相対的に少ないため、人工的な水域である水田、堀上、用水路等に最も好んで生息する。
ミズカマキリなどに比べ、基本的にあまり飛行しない昆虫だが、繁殖期には盛んに飛び回り(同族生殖を避けるためだと考えられる)、走光性が強いこともあってこの時期は夜になると強い光源に飛来することが多い。飛行の際には前翅にあるフック状の突起に後翅を引っ掛け、一枚の羽のようにして重ね合わせて飛ぶ。この水場から水場に移動する習性から、辺りには清澄な池沼が多く必要で、現代日本においてその生息域はますます狭められることとなっている。
冬になると陸に上がり、草の陰や石の下など水没しない場所を選んで成虫越冬をする。
越冬の様式は、水中で緩慢な代謝活動を続けつつ春を待つ個体と、上陸して落葉や石などの下で完全に活動を停止させて過ごす場合がある。この内、どちらかといえば、後者のほうがケースとしてメインであると考えられている。
春に越冬から目覚めた成虫は5〜6月頃に性成熟し、繁殖活動を開始する。この頃には、雄が腹で水面を一定リズムで叩く求愛行動が見られ、これによっておこる波によって雌を呼び寄せる。交尾、産卵は日没後に行われ、水面上にある杭や植物の茎などに合計60〜100個程度の卵を産み付ける。この卵塊は雄によって給水、保護されて約10日で孵化する。幼虫は5回の脱皮を繰り返し、40〜50日で成虫となる。
繁殖に成功した個体は死亡することが多く、野外での寿命は普通1年と考えられるが、飼育下では3年目の繁殖を行った例もある。雌は1シーズンで4回ほどの産卵を行う。
時に、雄が世話をしている卵を別の雌が破壊することがある。これはその雄を獲得するための行動で、本種の習性としてよく知られている。ただしタガメ亜科の全ての雌が卵塊破壊をするわけではない。
孵化直後の1令幼虫
世界には20種以上の近縁種が確認されている。
ナンベイオオタガメ Belostoma grandis
南アメリカに分布する。