ズッコケ三人組
JR西広島駅前にあるズッコケ三人組の石像
(右からハチベエ、モーちゃん、ハカセ)
ジャンル児童文学
小説
著者那須正幹
イラスト前川かずお・高橋信也
出版社ポプラ社
レーベルこども文学館、ポプラ社文庫、ズッコケ文庫、等
刊行期間1978年 - 2004年(本編)
巻数全50巻
その他続編に「ズッコケ中年三人組」あり
ドラマ:それいけ!ズッコケ三人組
監督吉田憲二、松森健、大森一樹、高野昭二
制作宝塚映像、関西テレビ
放送局関西テレビ、フジテレビ、テレビ山口
放送期間1985年4月12日 - 1986年4月4日
話数全49話
OVA:ズッコケ時空冒険
原作那須正幹
監督うえだひでひと
キャラクターデザイン前川かずお
アニメーション制作タマプロダクション
製作日本コロムビア株式会社
発表期間1988年 -
その他単行本付属の注文紙での応募
映画:花のズッコケ児童会長
監督中島俊彦
制作島田開・野原嘉一郎
封切日1991年7月20日
上映時間1時間4分
ドラマCD:ズッコケ三人組の未来報告 オリジナル・アルバム
原作那須正幹
脚本飛鳥めい
販売元テイチクエンタテインメント
レーベルContinental
TECD-28231
発売日1992年8月21日
枚数1枚
アニメ:ズッコケ三人組 楠屋敷のグルグル様
監督鈴木行
シリーズ構成高橋良輔・鈴木行
脚本高橋良輔・鈴木行
音楽葦澤伸太郎
ズッコケ三人組(ズッコケさんにんぐみ)は、那須正幹原作の児童文学シリーズ。及びその主人公である3人の渾名(トリオ名)。 中国地方にある町である稲穂県ミドリ市花山町(モデルは広島県広島市。#舞台のモデルを参照 )を舞台に、ハチベエ(八谷良平)・ハカセ(山中正太郎)・モーちゃん(奥田三吉)の3人の小学6年生を中心に物語が展開され、様々なテーマで描かれている。何度もテレビアニメ化やテレビドラマ化がされているほか、映画化やOVA化もされている。 元々は『ずっこけ三銃士』の題名で『6年の学習』(学習研究社)の1976年4月号から1977年3月号に連載されていた。この時の最終回『さよなら三銃士』で3人組は小学校の卒業式を迎えているが、後にこの作品が現行の題名に改められてシリーズ化されたため『さよなら三銃士』は単行本に収録されず、幻のエピソードとなった。後に『さよなら三銃士』は石井直人・宮川健郎編『ズッコケ三人組の大研究II』(ポプラ社、2000年)に参考資料として収録された。 那須は、処女作で学研児童文学賞を受賞した『首なし地ぞうの宝』(1972年)で、すでに小学生三人組を主人公としている。1978年に刊行が開始されたこのシリーズが、那須の代表作かつライフワークとなっていく。 絵は第1作から第25作までは、漫画家の前川かずおが担当したが、1992年7月[注 1]に前川が白血病で倒れたため、第26作『ズッコケ三人組対怪盗X』以降は高橋信也が挿絵を担当した。第26作以降の表紙には「前川かずお・原画、高橋信也・作画」と記載されている。 2004年12月、シリーズ最終巻となる50冊目『ズッコケ三人組の卒業式』が発行され、本編は完結した。シリーズを終えた理由として、「私の作品と、現在の子供たちとの間に溝を感じたから」と那須は述べている。 2005年12月、40歳になったズッコケ三人組が主人公の番外編『ズッコケ中年三人組』が発行された。なお上述のシリーズ完結理由のため、同作は児童書ではなく一般書としての販売[注 2]とされており、語られている内容も(時を置かずしてシリーズ移行購読した読者のために、いくぶん噛み砕かれてはいるものの)児童書に適したものではなくなっている場合がある。ただし、その分『ズッコケ三人組』よりも幅広いテーマ[注 3]を扱う事に成功したため、ズッコケ三人組のリアルタイム購読世代を中心に売れ行きが予想以上に良く好評を博した。結果として同作もシリーズ化が決定し、1年間に1冊のペースで毎年12月に刊行されている。なお作品で扱うテーマについては、作中でハカセが調べた内容をかいつまんで説明するなどして、作中で判りやすく解説しており、新たな知識が得られる面白さもある。ただし前述の通り、このシリーズは一般書であるため本来の『ズッコケ三人組』シリーズの購読層である年少者が読む場合は内容の読み取りに関して親による注意注釈が望ましいとされる場合がある。詳細については同作の項目を参照のこと。 文化祭や修学旅行、運動会など学校行事をテーマにした作品もあれば、タイムトラベル、ポルターガイスト現象、宇宙人との遭遇などの非現実的な題材もある。 一話完結が原則であり、どの巻からでも読めるが、怪盗Xシリーズ(『ズッコケ三人組対怪盗X』『ズッコケ怪盗Xの再挑戦』『ズッコケ怪盗X最後の戦い』、下記参照)を初めリンクしている部分も多数ある。しかし、毎回出版年における社会情勢や学校制度の変化などを反映しているため、時代背景に矛盾が多々ある。夏休みや修学旅行のエピソードが複数回あったり、同じ年度の出来事としては矛盾が生じることもある。作中において具体的な時代設定について触れられている例として、『ズッコケ脅威の大震災』の本文では「三年前の阪神・淡路大震災」という記述がある[1]。作者は『銭形平次捕物控』と『次郎物語』を対比させて、『銭形平次』式でいくことを初期のあとがきで書いている。なお最終巻では「夏休みが何回もあった気がする」「20年は小学生だった」とネタにした台詞がみられた。
概要