スタンレー・カップ(Stanley Cup、 旧名Dominion Hockey Challenge Cup)は、NHL(北米プロアイスホッケーリーグ)において、プレーオフトーナメントの優勝チームに与えられる賞(トロフィー、カップ、杯)のことである。
トロフィーの構造は、最上部にカップ(杯)があり、そのカップを何層かの金属製のリング(又はバンド)が支えている(金属製のバンドの層の数は時代によって変遷する。)。トロフィー全体の高さは、880 mm (35 1/4 インチ)、重さは 14.6 kg (32 lb) である(2005年現在の数値)。
トロフィーの上部についた杯は、実は2つ存在する。1つは、長年の風雪で老朽化した実物で、1970年からオンタリオ州トロントのホッケーの殿堂に展示されている。もう一つは、1960年代中盤にモントリオールの鍛冶屋カール・ピーターセンが製作した複製品で、プレイオフ優勝チームに授与されたり、広告宣伝活動に用いられたりするものである。また、下部のバンドも古いものは順次取り替えられて、ホッケーの殿堂に保管されている。
もっとも「スタンレー・カップ」との言葉を慣用的に用いる場合には、
前述のとおり物としてのトロフィー又はカップ(杯)そのものを指すときのほかに、
NHL(及びNHL発足以前のアイスホッケー界)における優勝(ないしは優勝チーム決定までの道程)を象徴的に表すとき、
があり、以下では、特に混同の恐れがない限り両者を区分していないので、文脈により判断されたい。
目次
1 歴史
1.1 チャレンジカップの時代
1.2 新たなチャレンジマッチとNHLの統一まで
1.3 スタンレー・カップに参加したリーグのまとめ
1.4 今日・将来のカップ戦
1.5 カップ最多獲得チーム・選手
2 カップへの刻印
3 カップの形状変更
4 刻印ミス
5 カップにまつわる伝統と逸話
6 旅するカップ
7 奇禍のエピソード
8 プレイオフあれこれ
8.1 1919年の流感 - カップ受賞者なし
8.2 1927年スタンレー・カップにおける喧嘩
8.3 2004-05シーズンのロックアウト
9 脚注
10 参考文献
11 関連項目
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スタンレー・カップは、もともとはロンドンの鍛冶屋から10ギニー(当時の貨幣価値で、50ドルと等価)で購入された装飾用の椀であり、1892年に、アイスホッケーに魅了された時のカナダ総督、スタンレー卿 (Frederick Arthur Stanley, 16th Earl of Derby) によって寄贈されたものである(もっとも、アイスホッケーにより熱心だったのは、スタンレー卿の妻レディ・スタンレイとその息子達だったとする説も存在する。)[1]。
元来このカップはカナダにおけるアマチュアのトップチームに授与された賞であり、その受賞チームは、カップを保持するチーム及びカップ管理者 (trustee) が他チームからの挑戦 (試合の申し込み) を承諾し対戦することによって決定された。
スタンレー卿は、このカップに関して、次のようないくつかの仮規則を定めた。
カップは、チャンピオンが所属するリーグの選手権をも顕すものとしての機能も果すこと。
カップは、授与されたチームの財産とはならないこと。
カップ管理者は、どのチームがカップ保持者となるかについて争いがある場合には、その最終決定権限をもつこと。
カップに対する挑戦チームは、その所属するリーグの優勝者でなければならないこと。
カップ挑戦試合(リーグが異なる場合)の勝利は、関係する両チームの都合にあわせて、1試合で決するか、2試合の合計ゴール数で決するか、または、3試合で勝ち星の多いチームで決するかとすること。挑戦試合は、開催日時についてはカップ管理者の承諾を得なければならないが、試合のすべてはチャンピオンチームのホームにて行うものとすること。
試合のチケット収益は、両チームで等しく分配すること。
各リーグは1シーズンにつき、1度しかカップに挑戦することはできないこと。
カップ優勝チームは、カップ管理者からの求めに応じて、カップを良好な状態で返還する義務を負うこと。