スコッター (squatter) とは、都心の廃屋・廃ビルや他人の敷地や家屋の不法定住者、またはそうした住宅のこと。ドイツ、オーストリア、オランダ、アメリカ、および東南アジアの発展途上国の大都市などで見られるインナーシティの都市問題の一つである。
スクオッター、スクウォッターとも表記され、また日本語では不法居住者、不法住居区などと訳される。
目次
1 スコッターの発生
2 スコッターの問題点
3 スコッターへの対策
4 日本でスコッターが少ない理由
5 運動としてのスコッター
6 補足
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大都市は地方と比して就業機会に恵まれ、生活水準が高いことから地方住民が大量に流入することがある。しかし大都市には流入する人間を雇用し、養うだけのキャパシティがなく(=産業化なき都市化)、あぶれた者が都心の廃屋や廃ビル、他人の敷地などに居座ったり勝手に住居を建築したりする。これがスコッターである。
スコッターは貧困層に集中することが多いが、その原因は貧困だけではなく、貧困と密接に関連している人種差別などが背景にあることが多い。したがってスコッターの問題は、それ自体がセグリゲーションの問題が絡むことが多い。またその他にも、都心の劣悪な住環境や行政サービスにもその一因があることが多い。
スコッターの問題点
正規の居住者ではないことから日常生活を営む上で必要な電気や水道といったライフラインを盗電や不正使用といった形で使用している。
スコッターは貧困層や低賃金層に占める割合が多いことから、犯罪に手を染めするものも多く、治安の悪化につながるおそれがある。
スコッターの集中によって、その地域がスラム化することがある。
不法居住であることから、就業や教育の面で不利となることが多く、各種行政機関による公的支援を受けられないこともある。
スコッター滞在によって、建物や敷地を荒廃させることになる。
都心での行政サービスの質を悪化させる。
一度、スコッターになると容易にその生活を脱出させることができず、階層の固定化が生じる。
階層の固定化とも関連するが、階層の固定化と連動して居住地域の固定化や人種や所得による分断も生じる。
衛生状態が芳しくなく、医療の整備も遅れていることから感染病が蔓延するおそれがある。
他人の敷地や家屋を不当に占拠することから、生活権や財産権を侵害している。
スコッターへの対策
貧困層への援助の充実や教育や就業の機会の拡充。
都心の住環境や行政サービスの改善。
都心における廃ビルや廃屋の取り壊しや修繕。
などが挙げられる。
スコッターへの対策はそれ自体が都市や貧困、福祉に関する課題と密接に関連していることが多く、単一的な政策によって容易に解決できる問題ではない。
スコッターはアメリカや東南アジアの発展途上国に多い現象であり、日本では少ない。その理由としては:
日本の建物はスクラップアンドビルドであることが多く、そもそも廃屋や廃ビルが少ない。
スコッターを生む要因の一つに貧困とその背景の人種問題があるが、日本は皆無ではないとは言え人種問題が他国のそれよりも問題となっていない。
日本は中流社会と称されるほど横並びの所得水準であることから、欧米ほどの貧困層が少ない。
上記の要因とも関連するが、所得水準が横並びであることから、所得や人種による居住地域分断ということが少なく(全く存在しないわけではない)、居住地域が画一的である。
低賃金層や貧困層の生活の場となるドヤ街のような場所もあり、他人の敷地をわざわざ不法占拠までして生活する必要がない。
日本では反体制的な考え方が教育、また家族・社会的影響により育ちにくい。
などが挙げられる。
ヨーロッパを中心に若者や社会運動家が既存の空き家を不法占拠する例もある。大都市などでは古いデパートや工場などの建築や住宅街が地域の衰退によって空き家となったり、あるいは富裕層が投機目的のために都心の住宅を住まないままで保有するといったことがあった。これに対し、移民や貧困層、彼らを支援する社会運動家、あるいは金のないミュージシャンや若い芸術家など住む場所に困る人々はこうした使われていない廃墟や資産を不法占拠し、低所得層のための社会教育センターや芸術家村などに改装して立退きを拒む例もある。
補足
スコッター (squatter) とは、本来オーストラリアのニューサウスウェールズの公有地の不法占拠者を意味する言葉だった。本来は「しゃがんだ人」、「しゃがんだ動物」という意味がある。
フィリピンの首都マニラの住民の約4割はスコッターと推測されており、現地では深刻な問題となっている。
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更新日時:2008年10月4日(土)11:56
取得日時:2008/10/10 17:53