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スカトロジー(英語:Scatology)とは古代ギリシア語で糞便を意味する「スコール(σκωρ,属格形は σκατο? で、ここより skato- の形で連結形となる)」と「談話集」などを意味する「ロギア(logia)」の合成語で、糞・尿に対する研究・考察を言い、日本語では「糞便学(ふんべんがく)」とも言う。糞尿に関するユーモアの事や、糞尿に愛玩的な興味を持つ趣味、性的嗜好も指す。なお糞尿趣味を指す場合はスカトロと略される事もある。これらに関係する人間を指してスカトロジストと呼ぶ。
目次
1 概要
1.1 生物学とスカトロジー
1.2 人間心理とスカトロジー
1.3 社会学とスカトロジー
1.4 文化人類学・民俗学とスカトロジー
2 広義のスカトロジー
3 著名なスカトロジスト
4 参考書籍
5 関連項目
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狭義のスカトロジーには、最も基本的な排泄という生物の機能に関して研究する生物学的分野、人間心理の研究における観察と考察を重ねる哲学・心理学的な分野と、糞便にまつわる文化・芸術に関して研究する社会学的な分野、更には各々の文化圏と糞便のあり方を観察・分類する文化人類学や民俗学上の分野など多岐に渡り、「生命とは何か、人とは何か?」という最も根源的な命題を糞便にまつわる事象・現象・心理を探求する事によって得んとする物である。
広義のスカトロジーは「糞便を通して享楽を追及する」という、「特殊な性癖」によって行われるモノ・行動である。勿論、知識も人間に享楽を与え得る物である以上、狭義のスカトロジーも広義のスカトロジー同様に、快楽主義的な欲求に基づく物であると考える向きもある。なお糞便愛好に関しては糞尿愛好症の項を参照されたし。
特定の動物を研究する上で、糞便や尿は、その生物を知るために欠く事の出来ない情報を含んでいる。食性から体機能、果ては習性や本能的な行動に到るまで、糞便から学べる物は多い。また医療分野においては、排泄物は健康状態を知る上で、身体表面の見た目上の色つやに次いでもっとも得やすく、また多くの事が判る資料である。古代生物学においては、既に死滅した生物の残した糞便の化石から、食性や習性などが判明している。
人間にとって糞便や尿は、日常的に目にする物であると共に、衛生面から見て決して好意的には語られない物であるが、人格形成においては、幼児期の最も基本的な社会性の教育課程である排泄訓練を通して、個人の秘密や主体性の確立といった成長を遂げる。
個人や自我という概念は、他人と自身の間にある種の意識面における敷居を設け、自分だけの秘密を持つ事から始まるが、排泄行為とは、排泄物を個室にこもって出し、自分で処理(水洗便所においては、排水する事で下水などに流す作業)する事で、世間一般の社会から自分の排泄物を隠す作業(儀式)に他ならない。故にこれらの行為を通じて、人は世間に対して、一定の秘密を持つ事になる。結果、排泄訓練教程を終えた児童は、等しく自己と他人の存在を意識し、自我とその他の間に境界を築き始める。
その一方で、排泄行為やそれら生理現象によって派生する事態は性別の区別無く、性的な発育段階においては様々な偶発的事件により、性的興奮を覚える切っ掛けになる事も多く、自身の放尿や排泄行為に性的な快感を覚える者や、他人のこれら行為に性的興奮を催す者も少なくは無い。特に排泄行為は最もプライバシー上で他人に侵される事の厭われる物であるため、ある種の支配欲の変形として、他人のこれら行為を見たがる者もある。
糞便にまつわる文化・芸術面での活動は、しばしば「不潔で下賎な物」とされるが、人格形成において排泄行為の及ぼす影響から鑑みれば、決して軽んじる事が出来ない。中には感情面での激情を、糞便の意外性を持って表現せしめる芸術活動も存在し、またこれら傾向は文学や、もっと大衆的な漫画の表現上においても見出す事が出来る。
糞尿の…というより、それらの処理に関しては、様々な文化圏において、多種多様な方法が存在する。現代の日本においては、これら糞尿は水洗便所をもって社会から隔離され、人目に触れないように処分される地域も多いが、一部地域では汚水升に溜めた物を専用の車両を使って回収し、処分場に運搬している。また各家庭で浄化槽を配置し、それらの設備を使って各戸で細菌により処理させている所も多い。しかし近代までは、これら屎尿は貴重な農耕肥料としての資源として扱われ、江戸時代においては金銭で売買される事もあった。ちなみに屎尿にも等級があり、最上等は武家屋敷のもの、最下等は牢屋のものであったという。
今日の先進国と名の付く国々では、食糧生産にこれら人間の屎尿をあまり用いなくなった事情から、軒並み人糞の価値は廃棄物扱いだが、場所によっては家畜や水産養殖の飼料として、トイレをそれらの施設に併設する所もある。
経済発展のバロメーターとしても捉える事が出来るが、地域の気候風土によっては、他地域で取られている処分方法が用いられない事もあり、それらの扱いにおける差異も含めて、便所という設備を地域性に絡めて研究する者も多い。特に便所という施設に於いては、地域性が色濃く出る事もあり、便所を見れば国民性や社会の情勢が判ると云う人もある程だが、考古学の分野ではトイレ遺構のように当時利用されたトイレの遺跡より、そこに住んでいた者の暮らし振りや健康状態などを推測することが可能な、様々な情報が得られている。