スイス・フランは、スイスとリヒテンシュタインの通貨。略称CHF(Confoederatio Helvetica Franc の頭文字)。補助単位はラッペン(Rappen, Rp.; ドイツ語)またはサンチーム(centime, ct.; フランス語)で、1フラン=100Rp./ct.。 フランス語名は Franc suisse(フラン・シュイス)、ドイツ語名は Schweizer Franken(シュヴァイツァー・フランケン)、イタリア語名は Franco svizzero(フランコ・ズヴィッツェロ)、ロマンシュ語名は Franc svizzer(フランク・スヴィッツェル)。
目次
1 概要
2 歴史
3 硬貨
4 紙幣
4.1 第1次紙幣
4.2 第2次紙幣
4.3 第3次紙幣
4.4 第4次紙幣
4.5 第5次紙幣
4.6 第6次紙幣
4.7 第7次紙幣
4.8 第8次紙幣
4.9 第9次紙幣
5 為替レート
6 関連記事
7 関連項目
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スイス・フランは従来より、国際金融市場において、イギリス・ポンド、ドイツ・マルク、フランス・フランと並ぶ重要な通貨であった。欧州連合統一通貨ユーロの誕生後は、ユーロ圏に浮かぶ孤島のような状態になってしまったが、現在もなお、国際社会におけるスイスの地位により、「金よりも堅い」といわれるように、世界で最も安定した通貨として知られており、その重要性はいささかも変わっていない。国際決済通貨(ハードカレンシー)であるため、自国の通貨が不安定な国では海外との貿易にスイス・フランが使われることも多い。
1848年スイス連邦成立の時、各カントンでばらばらであった通貨を統合し、1850年に正式にスイスフランが制定された。当時のフランス・フランに倣って、品位.900重量5グラム(純銀含有量は4.5グラム)の1フラン銀貨をもって基準通貨とする実質的な銀本位制であった。最初に鋳造されたフラン硬貨は、写真のデザインのもので、現在の硬貨とは違う図案であった。1/2、1、2、5フラン銀貨がパリの造幣局でフランス・フランと同じ仕様で鋳造された(パリ造幣局のAのミントマークが裏面下に刻印されている)。スイスは、その後1865年のラテン通貨同盟に参加し、更に1876年フランスの金本位制採用に合わせスイスもこれに移行。
この通貨同盟の加盟国の一つベルギーは、全ての銀貨の品位を引き下げ、補助貨幣にすることを提案したが、フランスの猛烈な反対に遭い、5フラン銀貨は本位貨幣として残すことになり、実質的には、金銀複本位制の様相を示していた。この決定を受けてスイスも新しいデザインの硬貨を鋳造した。1874年から2フラン銀貨、1875年から1/2フランと1フラン銀貨が鋳造され発行された。この銀貨は品位を.835に落とした補助貨幣であり、そのデザインは現在に至るまで変更されていない。なお、5フラン銀貨は品位.900のまま1928年まで鋳造された。
硬貨1フラン硬貨 1880年銘(銀貨)1フラン硬貨 1995年銘(白銅貨)5フラン硬貨(白銅貨)
ウィリアム・テルと言われているが実態は不明
スイスの現行硬貨は、5、10、20ラッペン(サンチーム)、1/2、1、2、5フランの7種類。1ラッペンの銅貨は先頃まで、セット販売用に製造されていたが、2007年1月1日に廃止された。かつて存在した2ラッペンの銅貨は1974年で製造が打ち切られ、その後1997年に廃止され、こちらはすでに他額面硬貨との交換が終了していて、通貨としての価値を失っている。
スイスの硬貨は、これまで様々な材質で製造されてきており、これらが長期に渡って流通している。しかし、近年になって自動販売機の普及、銀行のATMでの硬貨の利用の増加などにより、支障を来たすようになった。現在の硬貨は5ラッペンの黄銅貨を除き全て白銅貨である。かつてフラン硬貨は.835品位の銀貨であったが、1971年以降回収が行われ、現在は市中で銀貨を見かけることはない。また、5、10、20ラッペン硬貨のうち、純ニッケル素材の硬貨も、2004年に流通停止になっている。このほか5フラン硬貨も周囲のギザに相当する部分に刻まれた文字がレリーフ状のタイプと彫り込んだタイプが存在し、この彫り込んだタイプも自動販売機の誤作動を招くので流通停止となっている。
現在流通している硬貨のうち、2フラン以下の6種類の硬貨のデザインは、フラン硬貨がヘルベティア女神の立像、ラッペン硬貨が同じく頭像で、これらの図案は1870年代から変更されていない。材質こそ銀や純ニッケルから白銅に変わりはしたが、概ね130年以上も同じデザインの硬貨が流通しているような国は、他には全く見当たらない。これは如何にスイス・フランが安定している通貨であるかの裏付けに他ならない。なお、低・中額面硬貨のヘルベティア女神像に対し、最高額面の5フラン硬貨のデザインはウィリアム・テルとなっている。この5フラン硬貨は、広く一般に流通している硬貨においては、日本の500円硬貨と並んで先進諸国の硬貨ではもっとも実質価値の高い額面の硬貨である。20フラン金貨 1897年銘(ブレネリ)
この他の硬貨として、1880年代から10フラン、20フランの本位金貨が流通していた。20フラン金貨はラテン通貨同盟の基準金貨でフランスの20フラン金貨(ナポレオン金貨)と同じ6.4516グラムの重量を有する金純度90%の金貨で、アルプスの少女「ブレネリ」が描かれていた。また、様々な記念の硬貨も時々発行されるが、この中でも射撃大会の記念硬貨は希少価値も高くコレクターの注目アイテムとなっている。また、コレクション用の地金型や収集型の金貨や銀貨も発行されている。