?シラミ亜目 Anoplura
ケジラミ Pthirus pubis
分類
界:動物界 ⇒Animalia
門:節足動物門 ⇒Arthropoda
綱:昆虫綱 ⇒Insecta
目:咀顎目 Psocodea
亜目:シラミ亜目 Anoplura
科
カイジュウジラミ科 Echinophthiriidae
ケモノジラミ科 Haematopinidae
フトゲシラミ科 Hoplopleuridae
ケモノホソジラミ科 Linognathidae
ヒトジラミ科 Pediculidae
ホソゲシラミ科 Polyplacidae
ケジラミ科 Pthiridae
シラミ(虱<蝨>)は、昆虫綱咀顎目シラミ亜目 (Anoplura) の総称。かつてはシラミ目(裸尾目、学名は同じAnoplura) ともされた。
血液や体液を吸う寄生生物である。口器は3本の鋭い吻針となり、それを宿主の皮膚に突き刺して咽頭にあるポンプで吸血する。使用しないときは口器は頭の中にひきこまれる。
広義には、咀顎目のうち寄生性のものの総称。シラミ亜目のほかに、主に体毛や羽毛を咀嚼するハジラミが含まれる。これらはかつてはシラミ目(Phthiraptera)とされていたが、多系統である。シラミ目は便宜上現在でも使われるが、正式な分類群ではない。咀顎目にはほかに、寄生性でないチャタテムシがいる。
シラミの語源については、白虫の転訛であるという説が有力である。古名はまたキササ、その字体(虱)から半風子(はんぷうし)とも呼ばれる。さらにその形から千手観音という異称もあったことが横井也有の『百虫譜』などにも見え、第二次世界大戦後の大発生期には隠語風にホワイトチイチイと呼ばれた。
咀顎目以外にも、外部寄生する小動物や、そうでなくとも動物に付着する生物に、「〜ジラミ」の名がつくものがいる。トコジラミ(カメムシ目)、ウオジラミ(甲殻綱鰓尾目)、クジラジラミ(甲殻綱端脚目)、ヤブジラミ(植物のセリ科)などである。
以下では、シラミ亜目について述べる。
目次
1 形態
2 生態
3 宿主特異性
4 系統と分類
5 ノミとシラミ
6 人間とのかかわり
6.1 シラミ症
6.2 病気の媒介
6.3 民俗
7 慣用句
8 関連項目
9 外部リンク
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外形はハジラミに似るが頭部は小さく口器は著しく変形し、舌針、唾腺舌、下唇針から構成され管状となる。触角は5節からなるが、まれには3節のものもある。眼はヒトジラミなどを除き欠如し、あるとしても1対の単純なレンズか受光斑となる。胸部の3節はつねに癒合し、翅はない。脚は毛をつかむのに適するよう変形し、転節は1節となる。その先端には1本の爪がある。産卵管は退化し、2つの弁となっている。
不完全変態で卵→若虫→成虫となる。卵は産卵管の基底部より出される膠様の物質で卵の一端が包みこまれ、宿主の毛に膠着する。若虫は卵の遊離末端の卵蓋から孵化するが、成虫と形がよく似ており、孵化直後より吸血する。若虫は3齢を経て成虫となる。シラミの寿命はよくわかっていないが、ヒトジラミではふつう約1ヵ月である。
シラミは生理的にも形態学的にも特定の哺乳類にきわめてよく適応しているので、宿主範囲は限定される。これは系統の離れた宿主にしばしば容易に移行することが知られているノミと非常に対照的である。ある1種のシラミは特定の1種、あるいは同属の数種の宿主に限って寄生する。つねに定まった宿主の血液によってのみ生命を維持することができる。またシラミの属はそれぞれ、哺乳類の特定の科またはそれに近縁の科と寄生関係をもつので、宿主とシラミは平行進化したと考えられる。ふつう1種の宿主に1種のシラミが寄生する。ヒト、ウシ、そして少数の齧歯類は2種のシラミの寄生をうけるが、これは例外的である。シラミは単孔類、有袋類、コウモリ、ゾウ、クジラには寄生しない。
約300種知られ、多くの未知種があると信じられている。ハジラミより分化したと考えられるが、化石上の証拠はない。哺乳類の外部寄生虫で被毛の中で生活するが、鳥類からはまったく知られていない。
ノミとシラミはともに人間に寄生して吸血し、かゆみを与えるために、よく対にして扱われる。しかし、ノミは蛹を経る完全変態の昆虫のうち、比較的原始的なシリアゲムシ目に近い系統の昆虫から哺乳類寄生性を発達させた系統であると考えられている。それに対して、シラミは蛹を経ない不完全変態の昆虫のうち、カメムシ目に近縁な咀顎目に属し、系統的には大いに異なる。