?シオマネキ属
シオマネキ Uca arcuata, オス
分類
界:動物界 ⇒Animalia
門:節足動物門 ⇒Arthropoda
亜門:甲殻亜門 ⇒Crustacea
綱:軟甲綱 ⇒Malacostraca
亜綱:真軟甲亜綱 ⇒Eumalacostraca
上目:ホンエビ上目 ⇒Eucarida
目:十脚目(エビ目) ⇒Decapoda
亜目:抱卵亜目(エビ亜目)
⇒Pleocyemata
下目:短尾下目(カニ下目)
⇒Brachyura
上科:スナガニ上科 ⇒Ocypodoidea
科:スナガニ科 ⇒Ocypodidae
亜科:スナガニ亜科 ⇒Ocypodinae
属:シオマネキ属 Uca
Leach, 1814
英名
⇒Fiddler crab
種
本文参照
シオマネキ(潮招、望潮)は、エビ目(十脚目)・スナガニ科・シオマネキ属 Uca に分類されるカニの総称。オスの片方の鋏脚(はさみ)が大きくなることで知られる分類群である。日本ではこの中の一種 Uca arcuata (De Haan, 1833) に「シオマネキ」の標準和名が充てられる。
目次
1 特徴
2 おもな種類
3 参考文献
4 外部リンク
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横長の甲羅をもち、甲幅は20mmほどのものから40mmに達するものまで種類によって差がある。複眼がついた眼柄は長く、それを収める眼窩も発達する。地表にいるときは眼柄を立てて周囲を広く見渡す。歩脚はがっちりしていて逃げ足も速い。オスの片方の鋏脚とメスの両方の鋏脚は小さく、砂をすくうのに都合がよい構造をしている。
成体のオスは片方の鋏脚が甲羅と同じくらいまで大きくなるのが特徴で、極端な性的二形のためオスとメスは簡単に区別がつく。鋏脚は個体によって「利き腕」がちがい、右が大きい個体もいれば左が大きい個体もいる。生息地ではオス達が大きな鋏脚を振る「ウェービング(waving)」と呼ばれる求愛行動が見られる。和名「シオマネキ」は、この動作が「潮が早く満ちてくるように招いている」ように見えるためについたものである。英名"Fiddler crab"の"Fiddler"はヴァイオリン奏者のことで、やはりこれもウェービングの様子を表した名前といえる。
熱帯・亜熱帯地域の、河口付近の海岸に巣穴を掘って生息する。種類ごとに好みの底質があり、干潟・マングローブ・砂浜・転石帯でそれぞれ異なる種類が生息する。巣穴は通常満潮線付近に多く、大潮の満潮時に巣穴が海面下になるかどうかという高さにある。潮が引くと海岸の地表に出てきて活動する。食物は砂泥中のプランクトンやデトリタスで、鋏で砂泥をつまんで口に入れ、砂泥に含まれる餌を濾過摂食する。一方、天敵はサギ、シギ、カラスなどの鳥類や沿岸性の魚類である。敵を発見すると素早く巣穴に逃げこむ。
海岸の干拓・埋立・浚渫などで生息地が減少し、環境汚染などもあって分布域は各地で狭まっている。風変わりなカニだけに自然保護のシンボル的存在となることもある。
日本産シオマネキ類は10種類ほどが知られるが、九州以北では西日本にシオマネキとハクセンシオマネキの2種類だけが分布する。南西諸島や小笠原諸島では多くの種類が見られる。
シオマネキ Uca arcuata (De Haan, 1833)
甲長(縦の長さ)20mm、甲幅(横の長さ)35mmに達し、日本産シオマネキ類の最大種。ハクセンシオマネキに比べて左右の眼柄が中央寄りで、甲は逆台形をしている。オスの大鋏表面には顆粒が密布し、色はくすんだ赤色だが、泥をかぶり易く色が判別しにくいこともある。静岡県以西の本州太平洋岸、四国、九州、南西諸島、朝鮮半島、中国、台湾の各地に生息地が点在する。泥質干潟のヨシ原付近・泥が固まった区域に生息するが、人間の活動が大きな脅威となり生息域が減少している。環境省が2000年に発表した無脊椎動物レッドリストでは準絶滅危惧(NT)とされていたが、絶滅のおそれが増大したとの判断から2006年の改訂で絶滅危惧II類(VU)となった。有明海沿岸地方ではタウッチョガネ、ガネツケガニ、マガニなどと呼ばれる。アリアケガニやヤマトオサガニなどと共に漁獲され、「がん漬」という塩辛で食用にされる。
ハクセンシオマネキ U. lactea lactea (De Haan, 1835)