シアン化カリウム シアン化カリウム(シアンかカリウム)は、青酸カリ(せいさんカリ)、青化カリとも呼ばれ、毒物の代名詞的存在だが、工業的に重要な化合物でもある。 毒物及び劇物取締法施行令で毒物に指定されている。 化学式 KCN で表される代表的なシアン化アルカリ
IUPAC名シアン化カリウム
別名青酸カリ
組成式KCN
式量65.12 g/mol
形状白色結晶
結晶構造
CAS登録番号151-50-8
密度と相1.52 g/cm3, 固体
水への溶解度71.6 g/100 mL (25 °C)
融点634 °C
沸点1625 °C
出典 ⇒ICSC
目次
1 性質
2 利用分野
3 毒性
4 治療法
5 廃棄処理
6 その他
7 関連項目
8 外部リンク
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乾燥状態では無臭だが、潮解により空気中の二酸化炭素と反応し、シアン化水素を放出しながら炭酸カリウムに変化するため、シアン化水素による特徴的な臭気を発する。特に日光に当たる状態では反応が進み易いため、空気に触れないように、日光に当たらないように保管する必要がある。シアン化ナトリウムと同じく、遷移金属と水に可溶なシアノ錯塩を形成する性質をもつ。この反応のため、銀や銅のさび落としに使うことが出来る。また、銅貨を用いたシアンの簡易検出法の原理でもある。
シアン化合物はカリウムとナトリウム塩が主に利用され、日本の場合シアン化ナトリウムでは年間約3万トンが生産されている。
冶金:青化法(1890年開発)による低品位鉱や廃材からの金、銀類の抽出。
鍍金:電解めっき法のひとつである青化浴は、金、銀、銅、亜鉛、真鍮、カドミウムなどに古くから利用されている(シアン化物を使わないジンケート浴、酸性浴への置換が進んでいるが、なお主流)
写真:銀板写真の銀メッキや青写真。現代のフィルム製造や現像にはシアン化物はほとんど使われていない。
漁業:川や海にシアン化物を流す「毒物漁法」。当然環境に有害だが、国によっては観賞魚捕獲等に多用されているという。
分析試薬:硬度滴定などで、妨害イオンをマスキングするために使用される。
合成:樹脂や医薬品、農薬の合成材料や安定剤として需要がある。
なお、フィクションなどでも含めて毒物として有名であり、一般的な物質であるかのように思われる傾向があるが、産業的にはシアン化ナトリウムの方が利用量が多く、工場などにありふれている。
人体に有害な毒物で、経口致死量は成人の場合150?300mg/人と推定されている。体内でチオシアン酸に代謝され、30?60mg-CN/hであれば、肝臓で解毒できるとされる。慢性中毒を起こす最小中毒量(TDL0)14mg/kg、許容濃度 5 mg-CN/m3。長期又は反復曝露による甲状腺、腎臓、肝臓、脾臓、中枢神経系の障害のおそれがある。 (参考: ラット経口 LD50 5?10 mg/kg)。
胃酸により生じたシアン化水素が呼吸によって肺から血液中に入り、重要臓器を細胞内低酸素により壊死させることで個体死に至るとされる。摂取した場合の症状としては、めまい、嘔吐、激しい動悸と頭痛などの急速な全身症状に続いて、アシドーシス(血液のpHが急低下する)による痙攣が起きる。致死量を超えている場合、適切な治療をしなければ15分以内に死亡する。死因は静脈血が明赤色(一酸化炭素中毒と同じ)などから判断できる。
また、皮膚から吸収することによっても中毒を起こす。これは、シアン化カリウムは水溶液中で電離してカリウムイオンとシアン化物イオンとなるが、このシアン化物イオンは一酸化炭素と同様にヘム鉄に配位結合して酸素との結合を阻害することにより、呼吸による酸素の供給ができなくなるためである。また、シトクロムcオキシダーゼの鉄と結びつくという説もある。青酸化合物の毒性機序には未解明な部分が多く、現象に説明がつかないこともある。
水生生物への毒性が非常に強く、水質の環境基準では 検出されないこと(定量限界0.1mg/L未満)、一律排水基準では 1mg/L とされている。