?藍色植物門
Oscillatoria sp. (ユレモの一種)
地質時代
先カンブリア時代 - 現代
分類
ドメ
イン:真正細菌 ⇒Bacteria
門:藍色植物門 ⇒Cyanophyta
和名
藍藻
英名
Cyanobacteria
下位分類(綱?目)
クロオコッカス目 Chroococcales
プレウロカプサ目 Pleurocapsales
ユレモ目 Oscillatoriales
ネンジュモ目 Nostocales
スティゴネマ目 Stigonematales
プロクロロン目 Prochlorales(原核緑藻類)
藍藻(らんそう)はシアノバクテリア(藍色細菌)とも呼ばれる真正細菌の一群であり、光合成によって酸素を生み出すという特徴を持つ。単細胞で浮遊するもの、少数細胞の集団を作るもの、糸状に細胞が並んだ構造を持つものなどがある。また、ネンジュモなどの一部のものは寒天質に包まれて肉眼的な集団を形成する。
目次
1 特徴
2 生態
3 系統
4 最初の光合成生物?
5 利用
5.1 有機肥料
5.2 食用
6 アクアリウムにおける藍藻
7 関連項目
8 参考文献
//
藍藻類はその名の通り、青っぽい緑色、つまり藍色をした藻類である。あまり大きなものはなく、多くが顕微鏡的な大きさである。単細胞単体のもの、少数細胞が群体的に集まったもの、細胞列が糸状に並んだものなどがあるが、糸状細胞列が真の分枝をすることはない。細胞外に寒天質の鞘などを分泌してより大きな集団を作る例も知られ、擬似的な分枝が見られる例もある。また、一部には細胞の分化が見られる。
細胞には細胞壁があり、鞭毛を持つものはなく、すべて不動の細胞であるが、一部には活発に滑走運動を行うものがある。ユレモの名はこれに由来するが、その運動の機構は十分にはわかっていない。
原核細胞であり、細胞内には他の藻類に見られるような細胞小器官が欠ける。葉緑体も存在せず、細胞自体が葉緑体に近い構造を持つ。
水中に広く分布し、一部は湿った地上に発生する。 夏場に発生するアオコのなかにはシアノバクテリアが大量に発生した結果引き起こされるものもある。この中には悪臭の原因になったり毒性を持つ種も含まれる。ネンジュモ属のイシクラゲなどは湿った地上に、キクラゲのような姿で発生する。食用にすることもできる。
一部の種は他の生物と共生している。アナベナはアカウキクサの葉やソテツの根粒に共生している。また菌類と共生して地衣類を形成するものもある。
かつて植物全体が単系統と考えられていた時代には、もっとも単純な藻類と考えられた。しかし、分類学の発展から原核・真核の区別が重視されるようになると、これが別の界(あるいはドメイン)におかれるようになった。また、細胞内共生説からは藍藻は藻類の祖先型ではなく、それらが持つ葉緑体の起源であると考えられるようになり、細胞本体に関しては系統上の連続性は認められなくなった。
このような経過によって、現在では藍藻よりシアノバクテリアと呼んで細菌類の一部であることを強調することが多くなっている。酸素非発生型の光合成細菌との系統関係も注目される。
35億年前の最古の化石とされるものがシアノバクテリアに似ていることから最古の光合成生物といわれた時期もある。しかし、この化石は深海の化学合成細菌であるとする意見もあり、一方 16S_rRNA系統解析では緑色非硫黄細菌がもっとも初期に分岐したとされる。さらに光合成にかかわる遺伝子の配列では紅色細菌がもっとも異なった配列を持っているという報告もある。このような知見が重なるとともに、生物間での遺伝子の移動がしばしば起こる現象であることが明らかになるにつれ(遺伝子の水平移動)、代謝経路と生物の進化とを同一に論じることが困難であると認識されるようになった。
藍藻は窒素固定能力を持つため、緑肥(有機肥料の一種)に使おうという向きもある。水田で緑肥に使われることがあるアカウキクサ類は葉の内部にアナベナを共生させている。
一部の藍藻は、食用になり、伝統的に世界各地で食材とされてきた。アフリカや中南米の塩基性の塩湖で採取されて食用にされてきたスピルリナがよく知られるが、日本や中国といった東アジアでも食材としての利用が散見される。
万葉集に「あしつき」という食材を採る女たちの歌がある。
雄神河 くれなゐ匂ふ をとめらし あしつきとると 瀬に立たすらし
この「あしつき」とは、河川のヨシなどの茎に付着生育するネンジュモ目の藍藻で、今日でもアシツキ、あるいはカワタケの和名で呼ばれる(近縁のイシクラゲの項参照のこと)。現在の日本でも、クロオコッカス目のスイゼンジノリは懐石料理の高級食材として養殖され、その他の一部の藍藻も食べる地域がある。