ザビ家(ザビけ、Zabi Family)は、「ガンダムシリーズ」のうち、アニメ『機動戦士ガンダム』にはじまる宇宙世紀を舞台にした作品に登場する、架空の人物の一族。ジオン公国の中枢を担う一族である。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次
1 ザビ家直系の人物
1.1 デギン・ソド・ザビ
1.2 ギレン・ザビ
1.3 キシリア・ザビ
1.4 サスロ・ザビ
1.5 ドズル・ザビ
1.6 ガルマ・ザビ
1.7 ミネバ・ラオ・ザビ
2 その他の人物
2.1 ナルス・ザビ
2.2 ゼナ・ザビ
3 隠し子、あるいはクローン説がある人物
4 設定の変遷
5 脚注
6 参考文献
7 関連項目
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ザビ家の人間は画面に登場した人物以外にも多数存在するとされるが、通常は以下の7人を指す。
デギン・ソド・ザビ
Degwin Sodo Zabi
声:永井一郎(TV版)/ 藤本譲(劇場版I)/ 柴田秀勝(劇場版III・特別版I / III)
ジオン公国公王でギレンらの父。放映開始時の年齢は62歳。ジオン・ズム・ダイクンの死後ジオン共和国に公国制を敷き、独裁を強めたが、その後実質的に隠居した状態になっていた。政治的には穏健派の立場を取り、急進的なギレンと対立する。乗艦はグワジン級戦艦1番艦グレート・デギン。
彼にはギレン(総帥、長男)、サスロ(次男/三男)、ドズル(三男/次男)、キシリア(長女)、ガルマ(四男)の5人の子がいる(テレビ版の準備稿ではミハル・ザビという娘もいた)。妻はナルス(ナリスとする説あり)だが子の母親に関しては諸説ある。なお、サスロとナルスに関しては一年戦争前に死亡しているため『機動戦士ガンダム』には登場しない。
かつてはジオン・ダイクンと盟友関係にあり、0058年のジオン共和国宣言時には地球連邦軍駐留部隊の切り崩しに尽力した。また、連邦軍に対抗するために、共和国宣言時に成立したジオン国防隊を0062年にジオン共和国軍に昇格させ、軍事力の強化に努めた。このようなデギンの軍事路線はダイクンにとって認め難いことだったが、連邦へ対抗するために容認せざるを得なかった(なお、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、連邦政府との軍事衝突も辞さずという強硬な態度をとっていたのはむしろダイクンの方で、デギンは非戦派であったという新解釈が採られている)。
だが、0067年に連邦政府のコロニー自治権整備法案が廃案となると、両者の対立は強くなり、0068年にダイクンは急死してしまう。これはデギンとギレンによる暗殺とするのが一般的である。ジオン共和国初代首相であった病床のダイクンにより次期首相に指名され(これには、この先起こるであろうダイクン派とデギン派の抗争を避ける為に、後継者にデギンを指名したという説と、「自分を暗殺しようとしたのはデギンだ」と教えようとしたダイクンの行動をデギンが巧妙に利用したとの説がある)2代目首相となると、ダイクン派(旧ジオン派)を粛清して全権を掌握し、0069年8月15日に公国宣言を行い、ジオン公国初代公王に就任した。しかし、妻ナルスがガルマを生んだ際に死亡しており精神的な支えとなる存在がないこと、さらにはダイクン暗殺の報復として次男サスロが車に仕掛けられた爆弾テロにより暗殺(ジンバ・ラル謀略説、キシリア謀略説あり)されたことから、徐々に憔悴していく。また、ダイクンを打倒して頂点に立ってしまったことで功成り名を遂げた後の虚無感に襲われるようになり、全権を子供達に譲り政治的に隠居した状態になってしまった。その後ギレンは軍事独裁路線を推し進めるが、デギンはこれをよしと思わなかった。また、ギレンと政治的に対立し、彼と同じく強硬な独裁路線をとるキシリアのことも好ましく思っていなかったようである。
0079年1月3日、ジオン独立戦争、後の一年戦争が始まったが、デギンにとってこの戦争の目的はあくまでジオン公国を地球連邦に対抗し得る、完全な独立国家としての主権を連邦に認めさせることにあった。しかし、ギレンは当初これを認めていたものの、後に完全に地球連邦を征服した上での、選ばれた優良種たるジオン国民による全人類の管理・運営を目的とするようになった。そのためギレンにとって父デギンは次第に邪魔な存在になっていく。
上記のような経緯から、デギンは猛々しい性格のギレン・キシリア・ドズルを疎み、ガルマを溺愛していたが、ジオン独立戦争が予想外の長期にわたりガルマは地球で戦死してしまう。デギンはその一報を聞いた際に、持っていた杖を使者の前で取り落とすほどの衝撃を受けたと言われる。彼はガルマの密葬を望んだが、ギレンは国葬としてプロパガンダに利用し、両者は対立を深めていく。これ以降、デギンはギレンの独裁を抑えるため、ギレンとキシリアの政治的対立を防ぐために、首相のダルシア・バハロに命じ、密かに連邦との講和を図った。
その後、ソロモン陥落に際し三男ドズルまでも失うが、ガルマの死で涙も尽き果てていたのか「ドズルにしてもっともなことであるよ」と呟くのみであった。ギレンによる軍政が数百万人を超えるコロニー住民の強制疎開にまでエスカレートし、ソーラ・レイを使用した強引なア・バオア・クー最終決戦を目論んだ時点で亡国の危機感を強め、ギレンを中世紀の独裁者アドルフ・ヒットラーになぞらえ「ヒットラーの尻尾」と揶揄している。なお、この後の台詞がTV版では「ヒットラーは敗北したのだぞ」から、劇場版『めぐりあい宇宙編』では「ヒットラーは身内に殺されたのだぞ」と史実と食い違うものに改変[1]されていたが、その後キシリアにギレンが暗殺されたことを考えると、この台詞はギレンの末路をより的確に言い表していたものといえよう。