?ザトウクジラ
種の保全状態評価[1]
LEAST CONCERN(IUCN Red List Ver.3.1(2001))
分類
界:動物界 ⇒Animalia
門:脊索動物門 ⇒Chordata
亜門:脊椎動物亜門 ⇒Vertebrata
綱:哺乳綱 ⇒Mammalia
目:鯨偶蹄目 ⇒Cetartiodactyla
亜目:ヒゲクジラ亜目 ⇒Mysticeti
科:ナガスクジラ科 ⇒Balaenopteridae
属:ザトウクジラ属
Megaptera Gray, 1846
種:ザトウクジラ M. novaeangliae
学名
Megaptera novaeangliae
(Borowski, 1781)
和名
ザトウクジラ
英名
⇒Humpback Whale
ザトウクジラ(座頭鯨・学名Megaptera novaeangliae )はクジラ目ヒゲクジラ亜目ナガスクジラ科に属するヒゲクジラの一種。
体長15m、体重30tほどだが、大きなものは20m、60tにもなる大型のクジラである。長く大きな胸ビレと背中の瘤状の隆起が特徴で、他のクジラとは外見がずいぶん異なる。和名の由来はその姿(背ビレと背中の瘤等)が琵琶を担いだ座頭に似ているためと言われる。英語では背中の瘤からhumpback whale(せむしの鯨)と呼ばれる。学名のMegapteraは大きな翼という意味で、これは巨大な胸ビレから命名されている。
個体数の減少から1966年に商業捕鯨が禁止されている。
目次
1 行動
2 分布
3 調査捕鯨
4 ザトウクジラに関連する作品
5 脚注
6 関連項目
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ザトウクジラは地域毎に集団を形成している。集団でまとまって移動し、集団間では交流がほとんどない。 北半球にも南半球にも存在する。夏は極の近くで主に捕食をし、冬は赤道迄は行かないが(北半球ならハワイや沖縄・小笠原あたりの)温かい海域迄移動し出産・繁殖・子育てをし、また春になるに連れ極の方に移動するという回遊生活を送っている。
ザトウクジラはブリーチングとよばれる大きなジャンプをする。何故ブリーチングをするか判っていない。寄生虫を落とす為、子供をシャチから守る威嚇の為、コミュニケーションの手段、単に楽しんでいるなど様々な説がある。
繁殖の時期は、オスによるメスの獲得権争い・テリトリー争いの為行動が激しくなる。メイティングと呼ばれている。上述のブリーチングもオスが自分をアピールする為多く見られる。オス同士を煽ってメスが行う事もある。(子供も生きていく上で必要な技術なので母親が見せ子供も練習する。その他、ペックスラップ(胸鰭で水面を打つ)、テールスラップ(尾鰭で水面を打つ)、ヘッドスラップ(頭で水面を打つ)、ペダングルスラップ(尾鰭の横飛び上げ)、スパイホップ(水中から頭を出し水上の状況を観る)など様々な行動をする。
餌はオキアミ、ニシン、サバ、カラフトシシャモ (capelin) などだが、餌を取る時に「バブルネットフィーディング」という行動をとる。数頭のザトウクジラが餌である魚の群れの周りを円を描くようにまわりながら泡を吐き出す。魚達は泡に取り囲まれ逃げることが出来ず中心に集まってしまう。ザトウクジラたちは小魚の群れの真下に集まり口を大きく開け猛烈な勢いで突進浮上し、獲物を一気に呑みこんでしまう。このバブルネットフィーディングでは、数頭のザトウクジラがタイミングを合わせて協調的に行動しなければ効果がない。ここでも鳴音が号令の如く巧みに利用されるが、鳴音の特徴や構造などは求愛の歌とは全く異なり、非常にシンプルなものである。
また人間の指紋のように個体を識別できる部分が数箇所あるが、一番解りやすいのが尾鰭の内側の模様。ハワイでの研究がかなり進んでいるらしいが、どうやらハワイに回遊して来ているクジラはアラスカの方のクジラで、その同じ個体が沖縄で発見された事例はまだ見つかっていないようだ。
ザトウクジラは歌を歌うクジラとしても知られている。他のクジラも求愛などの際に声を出すことはあるがザトウクジラの歌は他のクジラと全く異なる。歌は1曲数分から30分以上続くが、何曲も繰り返して歌う。最長で20時間程の繰り返しが観測されている。歌の構造はよく研究されており、「歌」はいくつかの「旋律」の組み合わせから成り、ひとつの旋律は「句」の繰り返しであり、ひとつの句はいくつかの単位を並べたものからなる。このため、ザトウクジラの歌は、人類以外の動物による階層構造の利用の例として議論になっている。歌は地域毎にみると、同時期のものはクジラ毎の差異はわずかでしかないが、時とともにどんどんと変化してゆく。また、繁殖する地域によって歌い方にも特徴があり、他の地域のザトウクジラには歌が通じない。なお、この歌はボイジャー1号、2号に積み込まれた地球外知的生命体宛てのレコードにも録音されている。
南極周辺のザトウクジラに関しては、IWCによる調査に加え、日本による調査捕鯨が行われている南氷洋の東経35度-西経145度の区域で調査捕鯨に付随して目視調査が行われている。この区域には東経70-130度の区域(IV区)を中心とするD系群と東経130度-西経170度の区域(V区)を中心とするE系群の2つの系群が確認されている。
2005年に日本で行われた調査捕鯨検証会議ではザトウクジラの生息数はIII-E区では2002-2003年の時点で7889頭( ⇒CV=0.10)、IV区では2003-2004年の時点で31750頭(CV=0.11)、V区では2002-2003年の時点で2735頭(CV=0.16)で、VI-W区では1551頭(CV=0.24)で、1989-1990年からのIV区、V区の年間増加率はそれぞれ16.2% (CV=0.20)、6.4% (CV=0.71)、特にIV区では優先種の交代(バイオマスの上でミンククジラを上回る)および繁殖域の南東への拡大が見られたと報告された[2]。
同会議の別の報告によれば、調査捕鯨の際に行われた目視調査の結果やIWCによる調査結果、商業捕鯨時代のデータなどを総合したところ、D系群は早ければ10年後に、E系群は早ければ15-20年後に初期資源量まで回復するとされた[3]。