界 :動物界 Animalia
門 :節足動物門 Arthropoda
亜門 :甲殻亜門 Crustacea
綱 :エビ綱(軟甲綱) Malacostraca
目 :エビ目(十脚目) Decapoda
亜目 :エビ亜目 Pleocyemata
(抱卵亜目)
下目 :カニ下目 Brachyura
上科 :サワガニ上科 ⇒Potamoidea
科 :サワガニ科 Potamidae
属 :サワガニ属 Geothelphusa
Stimpson, 1858
種 :サワガニ G. dehaani
学名
Geothelphusa dehaani (White, 1847)
英名
Japanese Freshwater Crab
サワガニ(沢蟹)Geothelphusa dehaani は、エビ目(十脚目)・カニ下目・サワガニ科に分類されるカニの一種。日本固有種で、一生を淡水域で過ごす純淡水性のカニである。学名の種名"dehaani"は、日本の甲殻類分類に功績があったオランダの動物学者ウィレム・デ・ハーンに対する献名となっている。
目次
1 特徴
2 別名
3 利用
3.1 サワガニを中間宿主とする感染症
4 近縁種
5 脚注
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甲幅20-30mm、脚を含めた幅は50-70mmほど。体色は甲が黒褐色・脚が朱色のものが多いが、青白いもの、紫がかったものなども見られ、よく見られる体色は地域個体群によって異なる。甲羅には毛や突起などはなく、滑らかである。オスは右の鋏脚が左よりも大きくなるが、左のほうが大きい個体もいる。
日本固有種で、青森県から屋久島までの分布とされていたが、21世紀初頭の時点では北海道にも少数ながら分布することが判明した。意外と文京区などの都心にも青白いものが生息している。
川の上流域から中流域にかけて生息する。和名どおり水がきれいな渓流(沢)・小川に多いので、水質階級I(きれいな水)の指標生物ともなっている。日中は石の下などにひそみ、夜になると動きだすが、雨の日などは日中でも行動する。また、雨の日には川から離れて出歩き、川近くの森林や路上にいることもある。活動期は春から秋までで、冬は川の近くの岩陰などで冬眠する。
食性は雑食性で、藻類や水生昆虫、陸生昆虫類、カタツムリ、ミミズなど何でも食べる。一方、天敵はヒキガエル、アカショウビン、カワセミ、サギ類、イノシシ、イタチなどがいる。
春から初夏にかけて交尾を行ったあと、メスは直径2mmほどの卵を数十個産卵し、腹脚に抱えて保護する。卵は他のカニに比べると非常に大粒で、産卵数が少ない。幼生は卵の中で変態し、孵化する際には既にカニの姿となっている。稚ガニもしばらくは母ガニの腹部で保護されて過ごす。同じく川に生息するモクズガニやアカテガニなどは幼生を海に放さないと成長できないが、サワガニは一生を通じて海と無縁に生活する。寿命は数年-10年ほどとみられる。
タンガネ(長崎県)、イデンコガニ(徳島県貞光町、「いでんこ」とは排水溝のこと)など
丸ごと唐揚げや佃煮にして食用にされる。和食の皿の彩りや酒肴などに用いられる。養殖もされており、食料品店などでもしばしば目にすることができる。食べる際にはよく火を通さなければならない。
純淡水性で雑食性なので、低水温ときれいな水質を保つことができれば飼育もできる。 その場合えさはミミズやキャベツなどをあたえる。そして水槽には砂を入れ、草も植える。飼育する場合にはなわばりに気をつけることが重要である。
その他の利用方法としては指標生物などがあげられる。
肺気腫や気胸を引き起こす肺臓ジストマの一種の中間宿主となる。[1]
ウェステルマン肺吸虫症、:*ウェステルマン肺吸虫 Paragonimus westermani (Kerbert, 1878)が原因。
成虫は肺に寄生し、血と胸部異常陰影が特徴。確定診断には喀あるいは糞便から虫卵の検出。モクズガニも中間宿主。
宮崎肺吸虫症、宮崎肺吸虫 P.miyazakiiが原因。
幼虫は腸壁を突き破って、胸腔あるいは皮下まで移動するが、肺まで到達できない。胸膜炎、自然気胸、皮下腫瘤、好酸球増多などの症状がみられる。虫卵を検出することができないので、血中抗体測定法で診断。