界 :動物界 ⇒Animalia
門 :節足動物門 ⇒Arthropoda
綱 :昆虫綱 ⇒Insecta
目 :甲虫目 ⇒Coleoptera
亜目 :カブトムシ亜目 ⇒Polyphaga
上科 :コガネムシ上科 ⇒Scarabaeoidea
科 :コガネムシ科 ⇒Scarabaeidae
亜科 :カブトムシ亜科 ⇒Dynastinae
族 :サイカブト族 ⇒Oryctini
属 :サイカブト属 ⇒Oryctes
種 :サイカブト O.rhinoceros
サイカブト(犀兜虫、タイワンカブト、学名:Oryctes rhinoceros)は、沖縄県に生息するカブトムシの一種。サイカブト族 (Oryctini) の総称でもある。
この和名は本属、本種がサイのような短い角を持つことにちなむが、「タイワンカブト」という名のほうが長く普及してきた経緯がある。また1970?80年代には「カンシャカブト」という名も一部で使われた。
目次
1 日本侵入の経緯
2 形態
3 生態
4 農作物への被害
5 生活環
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元々外来生物である本種は、東南アジアからインド、中国、ハワイにまで分布している。日本では20世紀初頭に台湾から人為的に石垣島に持ち込まれ、以後、分布が北上を続けている。21世紀現在、南西諸島のほぼ全域で定着、自然繁殖しており、南九州に上陸しているとの報告もある。
沖縄が連合国から日本に返還されて間もない1970年代には、本土のカブトムシやキンギョ、ミドリガメなどと共にしばしば「サイクロンカブトムシ」という商品名を付けられて夜店やデパートで売られていたが、現在はそのような様子が見られることはない。
なお、日本にはもう1種ヒサマツサイカブト(o.hisamatui)が大東島に産する。
体長は雌雄共に30?45ミリ。背面の体色はやや光沢のある黒色だが、若い個体は腹側に赤味が見られる。前胸背板前半が大きく窪んでおり、上翅には深い点刻が列状に並ぶ。また、カブトムシに比べ全体に外皮が厚く強固であり、脚が太く短めである。特に前脚脛節は幅が広くトゲが発達している。
オスの大型個体は弓なりに後方を向き前胸上端に達する細長い角を頭部に1本持つが、メスも短い角を備えるため小型個体では雌雄の見分けが付きにくい。その場合、尾端が毛で覆われているのがメスである。
幼虫は本土のカブトムシのそれを一回り小さくしたような姿だが、頭部の色が明るく赤味が強い。
我が国では南西諸島に分布する。成虫は夜行性であり、冬季の約2ヵ月をのぞけばほぼ一年中活動している。
夜間、サトウキビ畑にほど近い街灯に飛来し、路上でひっくり返ってもがいている姿をしばしば見かける。成虫の寿命は2?5ヵ月ほどで、その間サトウキビの維管束や腐果を後食するが、本土のカブトムシのように樹液に来ることは殆ど無い。付節、爪には樹皮上を歩行し登るのに十分な能力があるが、短足であり細い枝を歩くのは苦手である。また、樹木の表面を歩行すること自体野生下では滅多にない。幼虫が堆肥から多数見いだされるのは本土のカブトムシと同じである。孵化した幼虫は2度脱皮しつつ4ヵ月ほどで老熟し、それぞれ3?4週間の前蛹期と蛹期を経て羽化する。
ノミや彫刻刀のように機能する角、太短い脚、頑丈な外皮、優れた筋力を持つ本種の成虫が発揮する穿坑、前進力は極めて強大であり、飼育下では昆虫ゼリーのプラスチック製カップや木製餌台をしばしば突き破って破壊する。次節の農産物被害も、本種のこの能力によって引き起こされる。
もともとは日本には生息しておらず、台湾などから輸入植物に紛れて持ち込まれたと考えられている。ヤシやパイナップル、サトウキビの害虫で、穿坑能力が極めて強大であり、成虫は茎頂部にトンネルを掘って潜り込み、摂食活動を行うため成長点を貫通消失した時点でそのヤシは枯死する。本種はこれを少数の個体で達成する。繁殖力が強く、沖縄本島や八重山諸島で定着し、その後1987年に沖永良部島、1988年に与論島、1991年に奄美大島と徳之島にそれぞれ確認され、最近では九州南部でも被害が確認されている。現地の熱帯性農作物に被害が出ているほか、既存のカブトムシの固有亜種[要出典]などの生存を脅かしている[要出典]。
もともとは熱帯のカブトムシであり、日本のほかのカブトムシと違い、季節によって生活史が決定されるわけではないので、成虫、幼虫共に通年見られる。