ゴムタイヤトラムとは、軌道の中央に設置された一本の案内軌条もしくは道路上の塗装や磁気マーカを仮想レールとみなし、ゴムタイヤで走行するライトレールの一種。上空の架線より給電するのは路面電車と同じだが、ゴムタイヤで走行するため路面電車に比べ騒音が少ない。また3両程度連結できることからトロリーバスに比べ多くの人を運ぶことが出来る。路面電車とトロリーバスの長所を併せ持つ新しい交通機関である。フランスで開発され、大きく分けて3つの方式がある。
目次
1 他の類似交通機関との比較
2 トランスロール
3 TVR
4 CiViS
5 その他のシステム
6 関連項目
7 外部リンク
//
路面電車との比較
(長所)ゴムタイヤで走行するため、振動や騒音が少ない。
(長所)ゴムタイヤトラムの案内軌条の敷設やメンテナンスの費用が、路面電車の線路のそれと比べ安い。
(長所)鉄車輪と比べゴムタイヤは摩擦係数が大きいため、急勾配に対応しやすい。
(短所)タイヤの交換費用が必要。
トロリーバスとの比較
(長所)3両程度連結できることから多くの人を運ぶことが出来る。
(短所)案内軌条の敷設やメンテナンスの費用が必要。
連接バスとの比較
(長所)電気で走行するため、排気ガスが出ない。
(長所)走行位置を外れることがないので比較的運転が容易。
(短所)路上の障害物を回避できない。
(短所)架線から電気を供給しているので、通常は架線のないところでは走行できない。
(短所)架線や案内軌条が必要なため、その敷設やメンテナンスに費用がかかる。
(短所)架線が必要なため、沿線の景観を損ねる。
AGTとの比較
(長所)建設費用が安い。
(長所)道路よりすぐに乗れるため利便性が高い。
(長所)運転手が必ずいるので乗客の安全確保が容易。
(短所)長い編成が難しいことから、多くの人員を運べない。
(短所)交通渋滞に影響され、定時運転が難しい。
(短所)停留所が道路中央付近にあるので、乗客の交通事故の危険性が高い。
(短所)架線が必要なため、沿線の景観を損ねる。
(短所)他の車に優先することから、交通量の多いところでは交通の妨げとなる。
(短所)無人運転が出来ないので人件費がかさむ。
トランスロールパドヴァのトランスロール
ロール社が開発した方式。2006年にパドヴァとクレルモン=フェランで営業運転を開始する。日本でも三井物産が中心となって車両を輸入し、2005年6月から大阪府堺市で走行試験を行っている。トランスロールの案内車輪と案内軌条
案内車輪は鉄製で斜めに傾いており、下側にフランジがある。1対2個の車輪で案内軌条をV字型に挟み込むようになっている。蓄電池を搭載し、短距離ならば案内軌条や架線のない場所(主として車庫内)を走行する事も可能。コンビーノと同様のモジュール構造なので、必要に応じて編成の長さを調節できる。運転席は両側にあり、より鉄道に近いデザインとなっている。
TVRナンシーのTVR
ベルリンに本社を置くボンバルディア・トランスポーテーション社が開発した方式。ナンシーとカーンで営業運転している。TVRの案内車輪と案内軌条
案内車輪は鉄製で両側にフランジがあり、案内軌条の真上に乗る。通常は架線から集電してモーターで走行するが、ディーゼルエンジンも搭載しているので、架線のない場所を走る事もできる。案内車輪は格納も可能となっており、架線があればガイドレールのない所でも連節トロリーバス(トロリーポール装備の場合に限る)として走行する事も可能。さらに架線が無い場合は完全な連節バスとして走行することになる。車体は3連節固定となっており運転席は進行方向側にしかない。
バスメーカーイリスバス社が開発した方式。案内用のレールの代わりに、路上に描かれた線を光学的に読み取ってコースを維持する。上記の2つの方式と同様上部の架線より給電するが、運転席は進行方向側にしかなくレールもないため、ちょうどトロリーバスに光学誘導装置を付加したような交通機関となっている。軌道や架線がないところではバッテリー又はディーゼルエンジンによる運転も可能で、架線からの給電・バッテリー・ディーゼルエンジンの動力を使い分けるハイブリッド車である。ルーアンとクレルモン=フェラン、ラスベガスで営業運転している。