コレラ
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コレラ(Cholera、虎列剌)は、コレラ菌(Vibrio cholerae)を病原体とする経口感染症の一つ。日本では「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症新法)で三類感染症に指定されている。日本ではコレラ菌のうちO1、O139血清型を原因とするものを行政的にコレラとして扱う。
目次

1 病原体

2 症状

3 治療方法

3.1 治療薬


4 予防

5 コレラの歴史

6 日本におけるコレラ

7 名称

8 文学

9 参考文献

10 脚注

11 関連項目

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病原体コレラ菌コレラ毒素

コレラ毒素を産生するコレラ菌によって発症する。コレラ菌のff中でO1型の大部分とO139型のごく一部がこれに該当する。

コレラ菌は、コンマ状の形態の桿菌で、鞭毛により活発に運動する。従来、アジア型(古典型)とエルトール型が知られていたが、1992年に新たな菌であるO139が発見された。強い感染力があり、特にアジア型は高い死亡率を示し、ペストに匹敵する危険な感染症であるが、ペストと異なり、自然界ではヒト以外に感染しない。流行時以外にコレラ菌がどこで生存しているかについては諸説あり、海水中、人体に不顕性感染の形で存在する、あるいは甲殻類への寄生が考えられる。

最も重要な感染源は、患者の糞便や吐瀉物に汚染された水や食物である。消化管内に入ったコレラ菌は、の中で多くが胃液のため死滅するが、少数は小腸に到達し、ここで爆発的に増殖してコレラ毒素を産生する。コレラ菌自体は小腸の上皮部分に定着するだけで、細胞内には全く侵入しない。しかしコレラ毒素は上皮細胞を冒し、その作用で細胞内の水と電解質が大量に流出し、いわゆる「米のとぎ汁様」の猛烈な下痢嘔吐を起こす。


症状

潜伏期間は5日以内。普通は2?3日だが、早ければ数時間である。症状が非常に軽く、1日数回の下痢で数日で回復する場合もあるが、通常、突然腹がごろごろ鳴り、水のような下痢と嘔吐が1日20?30回も起こる。下痢便には塩分が混じる。腹痛・発熱はなく、むしろ低体温となり、34度台にも下がる。急速に脱水症状が進み、血行障害、血圧低下、筋肉の痙攣、虚脱を起こし、死亡する。極度の脱水によって皮膚は乾燥「洗濯婦の手」、しわが寄り、「コレラ顔貌」と呼ばれる特有の老人様の顔になる。

治療を行わなかった場合の死亡率はアジア型では75?80パーセントに及ぶが、エルトール型では10パーセント以下である。胃切除がある場合は胃酸による殺菌効果が無いため菌が小腸に達しやすいため危険である。現在は適切な対処を行なえば死亡率は1?2パーセントである。


治療方法

水分の補給
経口輸液を受けるコレラ患者

コレラにおいて直接の死亡原因になるのは、大量の下痢と嘔吐による水と電解質の損失によっておきる脱水症状である。このため、失われた水と電解質を補給することでコレラによる死亡はきわめて効果的に抑制できる。

患者に意識がある軽症例の場合には、経口輸液(oral rehydration)と呼ばれる方法によって治療が可能である。経口輸液とは、ORS(Oral rehydration solution)と呼ばれる電解質液(水1リットルに対して、ブドウ糖 20g、塩化ナトリウム3.5g、炭酸水素ナトリウム2.5g、塩化カリウム1.5gの割合で溶解したもので、スポーツ飲料で代用可)を与え、排泄した下痢と等量を飲ませるものであり、これによって未治療では80%に及ぶ死亡率は1?2%にまで改善され、重篤化しやすい小児でも10%以下になる。患者が意識を失う重症例では、点滴による静脈内輸液で水分と電解質の補給を行う。これらの輸液による治療はコレラ菌そのものの排除には直接つながらず、患者からは大量のコレラ菌が排出されつづけるが、時間の経過によって患者がコレラ菌に対する免疫を獲得すると症状も緩解し、コレラ菌の排出も収まる。

古い時代では現在の様な経口輸液が確立されておらず、専ら食塩を溶かした塩水を飲用させる事でこれに変えた。幕末の『コロリ』流行の際には、蘭方医学に基いた西洋医学書に記されていた塩水飲用法を用いて治療を行った事で、死亡率を著しく低下させる事に成功した事例も残っている(海水を薄めて与えるなど)


治療薬

抗生物質による治療は脱水症状の改善とは無関係であるため、直接の効果的治療にはつながらないが、上記の水分補給と組み合わせることで、治療期間を短縮することが可能である。テトラサイクリン系抗生物質クロラムフェニコールなどがこの目的で利用されるが、これらに対する耐性菌も増加している。


予防

経口感染であるため、飲食に気をつける。 最大の感染源は患者の排泄物だが、通常の接触では人から人への感染の危険性は低い。 不衛生な食材や調理環境で危険性が高く、流行地域ではアイスクリームや生もの(サラダ果物、十分加熱しない魚介類など)、生水や氷(凍った生水)は避け、また体調維持に努める。

ワクチンは現在2種類が存在する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki