ガトリング砲
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ガトリング砲(ガトリングほう)とは機関銃または機関砲の一種である。1862年にアメリカの医師リチャード・ジョーダン・ガトリング(Richard Jordan Gatling)によって発明された。ガトリング銃とも呼ぶ。和名は「回転式多砲身機関砲」または「回転式多銃身機関銃」。
目次

1 概要

2 歴史

3 衰退と発展

3.1 航空機用火器としてのガトリング砲

3.2 種類


4 登場する作品

4.1 その他の作品


5 脚注

6 参考書籍

7 関連記事

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概要ガトリング砲 米国国立公園局所蔵(ワイオミング州ララミー砦)

弾丸を速射したいという願望は銃砲の発明以来存在し、連装薬室や多銃身の砲がマッチロック銃フリントロック銃の時代から幾度も製作されたが、再装填の問題などから実用に供しがたいものであった。実用レベルでの高速連射の需要を最初に満たしたのがこのガトリング砲であった[1]

ガトリング砲は銃軸の周囲に6本の銃身を配置し外部動力(この当時は手回し)でこれを回転させ、連続的に装填・発射・排莢を行う構造を持つ。この方式の最大の利点は不発実包が混入していても動力で強制排除し、発砲を持続できる事である。また銃身1本当たりの発射頻度は低くて済むために火薬の燃焼と摩擦によって発生する熱で銃身が過熱しにくく、これによる部品の歪みも発生しにくい。


歴史

この連射性は、当時ダブルアクションやシングルアクション(共にリボルバー式)の拳銃と前装式のマスケットライフルが主流だった南北戦争当時、驚異的とも言える威力を有した。少数ながらも北軍に非正式採用されて有効性が実証され、1871年に正式採用された。なお、当時のガトリング砲の給弾装置は箱型トレー内に収められた拳銃用実包をその重みで機構内に落とし込む方法で、必要に応じてトレー上部から実包を「継ぎ足す」事も出来たともいわれている。この箱型トレーは現在のマガジンの様に実包を詰めた状態で交換するようなものではなく、あくまでもバラの実包を機構内に落とし込むための支えであった。

日本では戊辰戦争1868年 - 1869年)において佐賀藩河井継之助率いる長岡藩でガトリング砲が使用されたとの記録が残っている。河井は新政府軍に対抗するため外国から兵器を輸入したが、特に大金をはたいて手に入れたのがこのガトリング砲で、スネル兄弟から購入したものだといわれている。当時日本にはガトリング砲が3つしかなく、そのうち2つは河井が購入したものだった。戦場では河井自身がガトリング砲を撃って応戦したという。当初多大な威力が期待されたが、後に出現する機関銃と異なり銃口の位置が高く、かつ敵弾を防ぐ防弾板が無かったので射手を狙撃することで簡単に無力化することが可能であった。

1870年代になると様々なバリエーションが登場している。普仏戦争で実戦に投入されたフランス軍のミトライユーズと呼ばれる多銃身機関銃もあったが、その構造はガトリング砲とは全く異なっていた。一方、当時のガトリング砲は重量があるため機動性が低く、また砲手は操作時に敵前の火線にさらされる危険性が高かったため、イギリスのエジプト駐留軍では四方を鉄板で覆った装甲列車に載せて使用していた。また、中東や中央アジアで使用されたキャメルガンはその名の通り駱駝に積載することが可能になったもので、ドーナツ型の弾倉を使用するものや銃身を短縮させたブルドッグと呼ばれるものも登場した。


衰退と発展

後に発射時の反動やガス圧を利用し、単銃身での速射を可能とする機構の発明・発達によって衰微した。この衰退には連続発射によっても過熱し難い冷却機構を持つ、または過熱しても部品精度が狂い難い素材の発達も関係している。その複雑な機構ゆえ故障が多く、また重かった事も禍し機関銃の主流は完全に単銃身に移行した。

だがガトリング砲は後に同技術レベル・他様式の機関銃では類比し難い連射性能が着目され、モーター駆動とすることにより大高初速や高連射速度(小型の物でも毎分4000〜6000発)を要求する航空機関砲(後述)として甦り、現在では車両艦船などにも搭載されている。

しかし単銃身のに比べ部品点数が多い事に変わりはなく、それ故のメンテナンスの不便さや重くかさばるなどといった欠点は未だに残存している。また外部動力を必要とするものが多く、さらに弾薬を大量に用意しなければならない事なども重量・容積面でのデメリットを追加している。また初速や連射速度といったカタログ性能は優秀だが、砲身がその性能を出すに必要な回転数に至るまでに若干のタイムラグが発生する(特に自力駆動の場合)ため、専ら大量の弾薬を積載できる場合に連続射撃によって高速移動物(飛行するミサイル航空機)を破壊するために利用されている。

これらでは米ゼネラル・エレクトリック社のM61 バルカン砲が良く知られている。砲身を回転させるスピンアップ時間短縮では油圧を用いることで0.3秒に短縮した物がある一方、耐久性を犠牲として銃身を軽量化したものが航空機や船舶・戦闘車両搭載型として採用されている。艦船積載用のものでは近距離対空防衛用(CIWS)のファランクス(バルカン砲を高速追尾用の銃架・制御装置に取り付けたシステム)も広く採用されている。

現代のガトリング砲においては給弾装置はこの短時間で実包を大量消費する「大食い火器のためにベルトコンベヤーのような構造をしており、この弾薬の供給具合を擬態語で表すとすればさながら「ザーッ(流れるという形容詞が相応しい)」と言った具合であり、連射すると1000発を10秒少々で撃ちつくす。普通のマシンガンのように1発1発の発射音が断続的ではなく連続して聞こえるため、その発射音も独特の『グワアァーン…』のように聞こえる噴射音である( ⇒参考動画)。なお他の単銃身機関銃に採用されているリンクベルトはガトリング砲では弾薬消費のスピードが速すぎるため、張力に耐えられず使用できないことから「レール給弾」(砲と弾倉をチューブで繋ぎ、その中に弾倉内の砲弾を電動モーターで送り出す)が用いられる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen