カリス (Χ?ρι?, Charis) は、ギリシア神話に登場する、美と優雅を司る女神。複数形はカリテス (Χ?ριτε?, Charites) 。通常はゼウスとエウリュノメの娘たちとされるが、母親はヘラとする説も多い。また、ヘリオスとヘスペリスたちの一人アイグレの娘たち、あるいはディオニュソスとアプロディテの娘たちとする説もある。ローマ神話にも取り入れられ、グラティア(Gratia、複数形グラティアエ (Gratiae) )と呼ばれた。英語読みグレイス(Grace、複数形グレイシーズ (Graces) )でも知られる。
元々人数は不定であったらしい。ヘシオドスの『神統記』によれば、エウリュノメの娘たちとしてアグライア、エウプロシュネ、タレイアの3柱の名があげられており、一般的にはこの「三美神」がよく知られているが、他の叙事詩ではパシテア、カレ、アウクソ、ヘゲモネ、クレタ、パエンナ、カリスなどの名が挙げられている。
パシテアはホメロスの『イリアス』に登場することでよく知られており、エウプロシュネ、カレ、パシテアの3柱をカリスたちとする説もある。また、アテナイではアウクソとヘゲモネの2柱を、ラコニア地方ではクレタとパエンナの2柱をカリスたちとしていた。後にラコニア地方のスパルタではアグライア、エウプロシュネ、クレタの3柱を指すようなった。またヘパイストスの妻をカリスの1柱とする説があり、一般的にはこれはアグライアであるとされるが、ホメロスによれば単にカリスという名であるとされている。
カリスたちは美しい若い娘の姿であるとされる。オリュンポス山の山頂に住み、神々の宴ではアポロンの竪琴やムーサたちの歌声と共に演舞した。神々や人々に肉体的な美しさを表して喜ばせるだけでなく、精神的な部分においても優美を与えたといわれるため、美術だけでなく技術を志す人々にも信仰された。本来は春の芽生えの活力を表した神であったと考えられている。当然ながら、美の女神となってからはアプロディテの従者とされるようになり、またその娘とする説も生まれた。
関連項目
ヘパイストス
ヒュプノス
カリス (小惑星)
グラティア (小惑星)
カテゴリ: ギリシア神話の神 | 美の神
更新日時:2008年8月18日(月)13:13
取得日時:2008/08/23 23:48