この記事の内容の信頼性について検証が求められています。確認のための文献や情報源をご存じの方はご提示ください。出典を明記し、記事の信頼性を高めるためにご協力をお願いします。必要な議論をノートで行ってください。
エマルジョン燃料(エマルジョンねんりょう)は燃料油(重油や灯油・軽油・廃油等)に水と界面活性剤を添加し、機械的に攪拌してオイル中に水を分散させた燃料である。ただし、添加剤を用いない場合でもエマルジョン燃料と呼ばれる。窒素酸化物や粒子状物質 (PM) の発生を抑え、内燃機関が排出するガスがもたらす環境負荷を低減させる効果がある。
目次
1 エマルジョン燃料の性状
2 メカニズム
3 燃焼効果
4 エマルジョン燃料の現状
5 エマルジョン燃料の技術進化と高品質エマルジョン燃料
6 主な用途
7 利用分野
8 大規模利用例
9 関連項目
//
A重油エマルジョン燃料の外見はカフェオーレ色、灯油・軽油エマルジョン燃料は乳白色の液体。本来は分離してしまう水粒子を油の膜層が界面活性剤を介在としてくるんでいる。
エマルジョン燃料の製造工程上、A重油と水を混合したエマルジョン燃料であればA重油の成分を含んだエマルジョン燃料になる。よって廃油であれば廃油の性質、C重油であればC重油の性質、灯油であれば灯油の性質、というようにエマルジョン燃料の性質は水と混合する燃料によって様々である。
このエマルジョン燃料を内燃機関で着火させると、まず低沸点の水粒子が気化・蒸発する。その際、まわりを取り囲む油が飛散し、より細かい径の粒子となる。この油粒子は体積あたりの酸素と接する面積が大きくなり、局部的な不完全燃焼が少なくなるため燃焼効率が高まりPMの発生量が減少する。同時に、含有する水の影響で内燃機関の温度が比較的低温となることから、窒素酸化物の発生も抑えられる。水分比25%の軽油エマルジョン燃料でディーゼルエンジンを稼動させた実験では、軽油100%と比較して窒素酸化物排出量が60%減少、PMの発生量は90%まで低減された。これより、排出ガスを浄化する装置への負荷減少にも効果がある。
エマルジョン燃料は、水を包んでいる外側の油が燃え中の水が急激に沸騰して微爆発することにより微粒子化し、空気との接触面積が飛躍的に増加するために、理論空気量に近い空気で完全燃焼に近い燃焼をする。生燃料に比べ空気量を大幅に絞れるため、ボイラー内で冷たい外気を加温するために使用される無駄な熱エネルギーを削減できる。また、大きな熱エネルギーを持つ排気ガスがゆっくり排出されることになるため潜熱の損出が減る効果がある。エマルジョン燃料は大きくはこの三つの要素により燃焼効果を出している。
燃焼効率や環境負荷物質低減などに最も適した混合比率は、油分の種類や界面活性剤の選択なども条件にからんでおり、使用目的と使用環境により決定される。
また、攪拌機についても内燃機関と直結させるための工夫が進んでおり、実用化で先行している工場での発電機などの据付型から、小型にしてトラクターなどのエンジンと一体化させる研究も行われている。
最近では、エマルジョン燃料製造装置を燃料消費者が購入するのではなく、エマルジョン燃料製造プラントにより製造されたエマルジョン燃料を購入して使用するという方式も始まっている。この方式では、中小の燃料消費者は一切の設備投資を必要とせずに燃料経費が削減でき、同時にCO2の削減等環境に寄与できることから注目されている。この方式は、従来のエマルジョン燃料は時間の経過とともに油水分離を起こすので製造してすぐ使用しなければならないという低品質エマルジョン燃料から長時間分離しない高品質のエマルジョン燃料が製造できるようになったことにより実現したものである。
燃料高騰とバイオエタノールの見直し議論が進む中で環境に良いエマルジョン燃料の再評価が進んでいる。従来のエマルジョン燃料の欠点は、時間の経過とともに油水分離が始まったり、二層化(上に油の多いエマルジョン燃料、下に水の多いエマルジョン燃料)してしまうことであった。しかし、技術の進歩により油水分離も二層化もしない、一層化エマルジョン燃料の製造が可能となった。一層化燃料は3ヶ月程度品質を保持するため貯蔵が可能となり燃料の配送が可能となった。
主な用途
ボイラー用 - 温風ボイラー、温水ボイラー、蒸気ボイラー
ディーゼルエンジン用 - 自家発電、農業機械、船舶など
利用分野
農業用 - 花卉栽培ハウス、野菜栽培ハウス、果物栽培ハウス、しいたけ乾燥ハウス
水産業用 - 養鰻業、海苔製造業、水産加工業
温泉、ホテル - スーパー銭湯、温泉、ホテル、旅館
製造業 - 工場
山形県米沢市に建設されたエマルジョン燃料製造プラントから、エマルジョン燃料を配達してもらい、アルストロメリア栽培のハウス3棟でA重油エマルジョン燃料を使用。生燃料使用の前年対比で大幅な燃料経費削減を実現。近隣のハウス栽培農家9件にエマルジョン燃料使用が拡大。
関連項目
エマルジョン