エステル
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この項目では酸とアルコールから脱水縮合してできた化合物について記述しています。旧約聖書に登場する人物についてはエステル (人物)を、小惑星についてはエステル (小惑星)をご覧ください。カルボン酸エステルの基本構造

エステル (ester) は、カルボン酸等の有機酸や硫酸等の無機のオキソ酸が、アルコール脱水縮合してできた化合物である[1]

エステルとして、カルボン酸エステルのほかに以下のような種の例が挙げられる。

カルボン酸チオエステル ? カルボン酸とチオールのエステル

リン酸エステル ? リン酸とアルコールのエステル

硫酸エステル ? 硫酸とアルコールのエステル

硝酸エステル ? 硝酸とアルコールのエステル

炭酸エステル ? 炭酸とアルコールのエステル

単にエステルと呼ぶときはカルボン酸とアルコールから成るエステルを指すことが多く、カルボン酸エステルの特性基 (R?COO?R') をエステル結合と呼ぶ事が多い。

エステル結合による重合体ポリエステルと呼ばれる。また、低分子量のカルボン酸エステルは果実臭をもち、バナナマンゴーなどに含まれている。
目次

1 命名

2 合成法

3 反応

4 用途

5 脚注

6 関連項目

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命名

エステルの命名法は、酸の中性塩の命名法に類似する。母体となる酸の名称と、アルコールのヒドロキシル基を取り除いた部分の基名を、続いて記述することで命名される。例えば「酢酸エチル」 CH3COOC2H5 は 酢酸 + エチルアルコール、「ホウ酸トリメチル」 B(OCH3)3 は ホウ酸 + メチルアルコール×3 など。

英語では、アルコールに由来する基名と、母体となる酸の語尾を -ic acid → -ate などと変化させて作った語を別の単語として続けて書くことで表す(例:ethyl acetate, trimethyl borate)。

詳細はIUPAC命名法を参照。


合成法

オキソ酸とアルコールが存在すれば自発的に脱水縮合してエステルとなるが、同時にエステルは脱水で生成した水によって加水分解を受けて元のオキソ酸とアルコールとなる。したがって混合物の状態で平衡に達するため高い収率で得ることが難しい。そこで、脱水剤を共存させたり、水を系外へ除去することで平衡をエステル側へ偏らせる手法がとられる。ディーン・スターク装置共沸を利用して脱水を行える器具で、エステル化にも用いられる。この反応を促進させるための触媒として硫酸などの強酸が用いられる(フィッシャーエステル合成反応を参照)。

オキソ酸の代わりとして、エステル生成時に水を副成しない無水酢酸などの酸無水物、あるいは酸ハロゲン化物を用いて、高い収率でエステルを得ることができる。この手法はショッテン・バウマン反応と呼ばれ、主に塩基、ときに酸が触媒として用いられる。

ほか、カルボン酸エステルを与える化学反応としては、バイヤー・ビリガー酸化ファヴォルスキー転位ジアゾメタンによるメチル化、カルボキシラート(RCO2-)によるハロゲン化アルキルなどへの求核置換反応アルケンまたはアルキンとオキソ酸との付加反応などが挙げられる。


反応

エステルは加水分解を受けるとアルコールとオキソ酸にもどる。触媒には酸または塩基が用いられるが、エステルの生成と加水分解は平衡反応であるため、加水分解で生成する酸と塩を作り平衡系から除去できる塩基の方が高転化率を得やすい。

またエステルはアミンと反応してアミド結合を作る。

エステルはハロゲン化水素と反応して酸ハロゲン化物(カルボン酸ではハロゲン化アシル)となる。また、カルボン酸エステルを2当量のグリニャール試薬と反応させたものに酸を通すことで第3級アルコールとなる。

カルボン酸エステルは水素化アルミニウムリチウム水素化ホウ素ナトリウムボランなどによって、第1級アルコールに還元される。1当量の水素化ジイソブチルアルミニウムを上手に用いれば、還元をアルデヒドで止められる場合がある。

α位に水素を持つカルボン酸エステルの化学反応として、クライゼン縮合マロン酸エステル合成アセト酢酸エステル合成などの一連のC-C結合生成反応が知られる。フリース転位は、カルボン酸アリールエステルを基質としてアシルフェノールを与える。

ヒドロキシ酸ヒドロキシル基カルボキシル基を同一分子中に持っているので分子内で容易に脱水縮合し、環状のエステルができる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki