インフレーション(inflation)は、物価が持続的に上昇する経済現象。
インフレとも呼ぶ。英語で「膨張」の意味。 典型的なインフレは、好況で経済やサービスに対する需要が増加し、需給が逼迫することによって発生する。すなわち経済全体で見た需要と供給のバランス(均衡)が崩れて、総需要が総供給を上回った場合に、これが物価の上昇によって調整されることで発生する。物価の上昇は貨幣の価値の低下を同時に意味する。同じ貨幣で買える物が少なくなるからである。 好況下での発生が多いが、不況下にも関わらず物価が上昇を続けることがあり、スタグフレーションと呼ばれる。
尚、資産価格は物価に含まれない。主に、マクロ経済学で研究される。
目次
1 インフレの要因別分類
1.1 需要インフレ
1.2 供給インフレ
1.3 貨幣的要因によるインフレ
2 インフレの速度別分類
3 生活への影響
4 代表的なインフレ
4.1 世界最古のインフレ
4.2 価格革命
4.3 日本のインフレ
4.4 ドイツのインフレ
4.5 ハンガリーのインフレ
4.6 アルゼンチンのインフレ
4.7 ジンバブエのインフレ
4.8 アジア通貨危機のインフレ
4.9 局地的インフレ
5 慣用表現としてのインフレ
6 関連項目
7 脚注
8 参考文献
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大きく分けると、実物的な要因と貨幣的な要因に分けられる。前者はさらに国内要因と貿易要因、需要要因と供給要因に分けられる。
需要側に原因があるインフレ。ディマンド・プル・インフレとも呼ばれる。 供給を大幅に超える需要があることにより物価が上昇する。 1973年から75年にかけての日本のインフレーションの原因は、オイルショックに注目が集まるが、変動相場制移行直前の短資流入による過剰流動性、「列島改造ブーム」による過剰な建設需要も大きな要因である。
供給側に原因があるインフレ。コスト・プッシュ・インフレとも呼ばれる。多くの場合、スタグフレーションや、それに近い状態になる。
コストインフレ
賃金・材料等の高騰によって発生する。原油価格の高騰によるインフレが典型的な例である。
構造インフレ
産業によって成長に格差がある場合に、生産性の低い産業の物価が高くなり発生する。これは、例えば効率の良い製造業で生産性が上がり賃金が上昇したとする。これに影響を受けてサービス業で生産性向上以上に賃金が上昇するとサービス料を上げざるを得なくなるため、インフレを招く。
輸出インフレ
輸出の増大により発生する。企業が製品を輸出に振り向けたことにより、国内市場向けの供給量が結果的に減って発生する。幕末期に、生糸などの輸出が急増しインフレが発生している。このパターンは乗数効果で総需要が増大しているため、需要インフレの側面もある。
輸入インフレ
他国の輸入を通じて海外のインフレが国内に影響し発生する。穀物を輸入していた国が、輸出元の国の内需が増加したり、輸出元が他の需要国へ輸出を振り分けたりした場合に、穀物の輸入が減少し穀物価格が上昇する。現実にも、中国が穀物純輸入国に転じた際にトウモロコシ市場で価格急騰が起きたことがある。
貨幣が過剰に供給されてだぶつくことにより発生する。貨幣の過剰発行は、過剰流動性を生み出し実質金利を低下させる。このため通例では投資が増大し、乗数効果で何倍もの需要増大をもたらす。そのプロセスは最終的に、需要インフレに帰結することでインフレに結びつく。
財政インフレ
政府の発行した公債を中央銀行が引き受けることにより、過剰に貨幣が供給されて発生する。前述の金利を経由した効果のほかに、財政支出から直結した有効需要創出効果もある。
信用インフレ
銀行が過度に貸付を行うことにより発生する。銀行の信用創造機能が過剰に働くことにより、貨幣の流通量が増大する。