界:動物界 ⇒Animalia
門:節足動物門 ⇒Arthropoda
亜門:甲殻亜門 ⇒Crustacea
綱:軟甲綱 ⇒Malacostraca
亜綱:真軟甲亜綱 ⇒Eumalacostraca
上目:ホンエビ上目 ⇒Eucarida
目:十脚目(エビ目) ⇒Decapoda
亜目:抱卵亜目(エビ亜目)
⇒Pleocyemata
下目:イセエビ下目 ⇒Palinuridea
科:イセエビ科 ⇒Palinuridae
属:イセエビ属 ⇒Panulirus
White, 1847
種:イセエビ P. japonicus
学名
Panulirus japonicus (Von Siebold, 1824)
和名
イセエビ
英名
⇒Japanese spiny lobster
イセエビ(伊勢海老)Panulirus japonicus は、十脚目(エビ目)・イセエビ科に属するエビの一種。広義にはイセエビ科の数種を指す(後述)。熱帯域の浅い海に生息する大型のエビで、日本では高級食材として扱われる。
目次
1 特徴
2 生態
3 生活史
3.1 養殖の試み
4 文化
4.1 イセエビ漁
4.2 食用
5 近縁種
5.1 イセエビ属 Panulirus
5.1.1 日本産
5.1.2 外国産
5.2 ミナミイセエビ属 Jasus
5.3 ヨーロッパイセエビ属 Palinurus
6 参考文献
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体長は通常20-30cmほどで、まれに40cmに達するものもいる。重さは大きなもので1kg近くになる。体型は太い円筒形で、全身が暗赤色で棘だらけの頑丈な殻におおわれ、触角や歩脚もがっしりしている。エビ類の2対の触角はしなやかに曲がるものが多いが、イセエビ類の第二触角は太く、頑丈な殻におおわれる。第二触角の根もとには発音器があり、つかまれると関節をきしませてギイギイと威嚇音を出す。腹部の背側には短い毛の生えた横溝がある。オスメスを比較すると、オスは触角と歩脚が長い。メスは腹肢が大きく、第5脚(一番後ろの歩脚)が小さな鋏脚に変化している。
学名の属名"Panulirus"はヨーロッパ産のイセエビ科 Palinurus 属のアナグラムで、種名"japonicus"は「日本の」の意である。英語では"Spiny lobster"(棘だらけのロブスター)と呼ばれるが、ロブスターはイセエビよりもザリガニに近縁で、エビの分類上では別々に区分される。硬い甲などの共通点もあるが、イセエビは大きな鋏脚を持たず、長い幼生期(後述)を経る点でロブスターとの差異がある。
房総半島以南から台湾までの西太平洋沿岸と九州、朝鮮半島南部の沿岸域に分布する。かつてはインド洋・西太平洋に広く分布するとされたが、研究が進んだ結果他地域のものは別種であることが判明した。
外洋に面した浅い海の岩礁やサンゴ礁に生息する。昼間は岩棚や岩穴の中にひそみ、夜になると獲物を探す。食性は肉食性で、貝類やウニなどいろいろな小動物を主に捕食するが、海藻を食べることもある。貝などは頑丈な臼状の大顎で殻を粉砕し中身を食べる。一方、天敵は人間の他にも沿岸性のサメ、イシダイ、タコなどがいる。敵に遭うと尾を使ってすばやく後方へ飛び退く動作を行う。
繁殖期は5-8月で、メスはオスと交尾した後に産卵し、小さな卵をブドウの房状にして腹脚に抱え、孵化するまでの1-2ヶ月間保護する。
孵化した幼生はフィロソーマ幼生(Phyllosoma)、または葉状幼生と呼ばれる形態で、広葉樹の葉のような透明な体に長い遊泳脚がついており、親とは似つかない体型をしている。フィロソーマ幼生は海流に乗って外洋まで運ばれ、プランクトンとして浮遊生活を送る。