アルコール依存症
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アルコール依存症(アルコールいそんしょう、アルコールいぞんしょう)とは、薬物依存症の一種で、飲酒などアルコール(特にエチルアルコール)の摂取(以下「飲酒」とする)によって得られる精神的、肉体的な薬理作用に強く囚われ、自らの意思で飲酒行動をコントロールできなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返す精神疾患である。
目次

1 概要

2 アルコール依存症の症状

3 アルコール依存症の形成と特徴

4 アルコール依存症の治療

5 女性とアルコール

6 胎児への影響

7 合併症

7.1 精神(神経)疾患

7.2 身体的疾患

7.2.1 内臓疾患



8 治療に向けての取り組み

9 脚注

10 関連項目

11 外部リンク

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概要

アルコール依存症の患者は、アルコールによって自らの身体を壊してしまうのを始め、家族に迷惑をかけたり、様々な事件や事故・問題を引き起こしたりして社会的・人間的信用を失ったりする事がある。症状が進行すると身体と共に精神にも異常を来す深刻な疾患である。

以前は慢性アルコール中毒、略してアル中とも呼ばれていた事もあるが、現在では通常患者を侮蔑したり患者自身が自己卑下して使う差別的表現であると見なされており、殆ど使われる事はない。かつては、このような状態になってしまうのは本人の意志が弱く、道徳観念や人間性が欠けているからだと考えられてきたが、最近では医学的見地から精神疾患の一つとして考えられるようになっている。飲酒が自分の意志でコントロールできなくなる症状を精神的依存、震顫妄想などの退薬症状(離脱症状、リバウンドともいう)を身体的依存と言い、アルコール依存に限らず他の様々な薬物依存症も同じような特徴を持っている。

日本の飲酒人口は6,000万人程度と言われているが、このうちアルコール依存症の患者は230万人程度であると言われている。飲酒者の26人に1人がアルコール依存症という計算になり、精神疾患の中でも罹患率が高く、各人の性格や意志にかかわらず誰でもかかる可能性がある病気であるとも言える。(なお、この230万人という人数はWHOの算出方法により割り出されたものである。)

日本では統計的にほぼ毎日純アルコール量で150ml(日本酒約5合半、ビール大瓶約6本、ウイスキーではダブルで約6杯)以上飲む習慣のある人を「大量飲酒者」と呼んでおり、厚生労働省でもこの大量飲酒者をアルコール依存症とみなしているようである。一方で、厚生労働省では健康日本21で掲げる適正飲酒という概念があり、これは1日平均純アルコールで約20g程度である。中年男性の3割以上が適正外飲酒に相当し、その多くはほぼ毎日常習しているので、アルコール摂取のコントロールが失われており、問題視されてきている。


アルコール依存症の症状
自分の意志で飲酒のコントロールが出来なくなる。
アルコール依存症の人も、何とかして適量のアルコールで済ませておこうとか、あるいは今日は飲まずにいようかと考えていることが多い。過剰な飲酒がもたらす様々な有害な結果を知っているにもかかわらず、飲み始めると自分の意志では止まらなくなって酩酊するまで飲んでしまう。このような飲酒状態を「強迫的飲酒」という。
目が覚めている間、常にアルコールに対する強い渇望感が生じる。
強迫的飲酒が進んでくると常にアルコールに酔った状態・体内にアルコールがある状態にならないと気がすまなくなったり、調子が出ないと思うようになったりして、目が覚めている間は飲んではいけない時(勤務中や医者から止められている時など)であろうとずっと飲酒を続けるという「連続飲酒発作」がしばしば起こる事がある。更に症状が進むと身体的限界が来るまで常に「連続飲酒」を続けるようになり、体がアルコールを受け付けなくなるとしばらく断酒し、回復するとまた連続飲酒を続けるというパターンを繰り返す「山型飲酒サイクル」に移行する事がある。ここまで症状が進むとかなりの重度である。
飲酒で様々なトラブルを起こし後で激しく後悔するも、それを忘れようとまた飲酒を続ける。
飲酒量が極端に増えると、やがて自分の体を壊したり(内臓疾患など)、社会的・経済的問題を引き起こしたり、家族とのトラブルを起こすようになったりする。それでさらにストレスを感じたり、激しく後悔したりするものの、その精神的苦痛を和らげようとまた更に飲酒を繰り返す。このように自分にとってマイナス(負)な面が強くなっているにもかかわらずアルコールを摂取し続ける飲酒行動を「負の強化への抵抗」と呼ぶ。
退薬・禁断症状が出る。
アルコール摂取を中断した際、様々な症状が生じる。軽いものであれば、頭痛、不眠、イライラ感、発汗、手指や全身の震え(振戦)、眩暈、吐き気などがあるが、重度になってくると「誰かに狙われている」といった妄想や幻覚・幻聴を伴った振戦せん妄、痙攣発作なども起こるようになる。患者にとってこれらは苦痛である為、それから逃れる為に飲酒をする事になる。
耐性の増大。
同じ酩酊を感じるのに要する飲酒量が増大する。または、同じ飲酒量での酩酊感が減弱する。


アルコール依存症の形成と特徴

通常は飲酒行動を、主にアルコールによって得られる肉体的・精神的変容に求める事が多いが、初めの頃は毎日飲むわけではなく、何かの機会に時々飲むだけという機会飲酒から始まる。しかし、何らかの原因で毎日飲む習慣性飲酒に移行する事も多く、習慣性飲酒となると同じ量の飲酒では同じように酔う事が出来なくなり、次第に飲酒量が増えていく事になる(耐性の形成)。つまり、アルコール依存症になる事はこの「習慣性飲酒」と深い関係があるという事になる。

もちろん、習慣性飲酒をする人全てがアルコール依存症患者であるとは言えないが、何等かのきっかけがあれば更に飲酒量が増え、いつの間にか依存症に陥ってしまうという危険性は十分孕んでいると言える。

更に、アルコール依存症患者の症状及びその周囲を取り巻く社会への影響から、この病気は次の特徴を持っている。
進行性疾患
自分が依存的に飲酒していると気付かずにそれを続けると更に飲酒量が増えて症状が悪化し、悪循環に陥る。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki