アメリカン・コミックは、アメリカの漫画作品の総称である。アメコミとも略される。アメリカン・コミックという名称は、アメリカの漫画と他国の漫画を区別するための呼び方であり、アメリカ国内では「コミック・ブック(Comic book)」あるいは単純に「コミック(Comic)」と呼ばれる。
通常の場合、アメリカン・コミックは連続した物語の形式で綴られ、薄い月刊誌に連載される。「コミック(滑稽)」という英語での呼び名に反し、扱われる主題は必ずしもユーモラスな物であるとは限らない。実際は、ドラマティックでシリアスな作品がアメリカン・コミックの多くを占めている。ジャズやその他の文化と同様に、アメリカン・コミックは数少ないアメリカ発祥の芸術形式の一つである。
目次
1 出版形態
2 歴史
2.1 プラチナ・エイジ
2.2 ゴールデン・エイジ
2.3 コミックス・コード(Comics Code)
2.4 シルバー・エイジ
2.5 アンダーグラウンド・コミックス
2.6 ブロンズ・エイジ
2.7 モダン・エイジ
2.7.1 メインストリーム・コミックの情勢
2.7.2 プレスティージ形式
2.7.3 インディペンデント・コミックとオルタナティヴ・コミック
2.7.4 アメリカン・コミックの認知
2.7.5 連載コミック形式の衰退
3 スーパーヒーロー物に支配されるアメリカン・コミック
4 実写化されたおもなアメコミ一覧
5 関連項目
6 参考文献
7 外部リンク
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レギュラー・シリーズと呼ばれるほとんどのアメリカン・コミックは、中綴じ製本による32ページの薄い月刊誌(英語ではコミック・ブック、日本ではリーフと呼ばれる)に連載される。リーフ1冊の価格は1ドルから2ドル強である。1冊のリーフに掲載されるのは22ページ前後の1タイトルと広告ページ、そして読者欄のみで、日本の漫画のように複数の連載作品が厚い1冊の雑誌に併載されることはない。また、通常は連載作品が1冊の単行本にまとめられることはないが、一部の人気エピソードはトレード・ペーパーバックの形で1冊の本にまとめられることもある。
大手出版社によるアメリカン・コミックのほとんどはフルカラー印刷である。初期のアメリカンコミックは、黒インクの輪郭線と赤・黄・青3色の100%・50%・20%の3階調の重ね塗りによる単純な彩色が施されていたが、1988年の大友克洋による漫画『AKIRA』の翻訳出版以降は、コンピューターによる無階調の彩色が導入されている。作画においては、下絵を描くペンシラー、ペンを入れるインカー、彩色を行うカラーリスト、文字を書き込むレタラーによる分業体制が取り入れられている。
作品やキャラクターの著作権は慣例として出版社に帰属する。このシステムは、特定のキャラクターの物語を複数のアーティストが描き継ぐことにより、何十年も同じキャラクターを使いまわせたり、異なる作品に登場するキャラクターのクロスオーバーが容易に行えるという利点をもたらした。その一方で、本来はアーティストが得られるべき権利が損なわれたり、作品の作家性が失われる欠点があった。特に有名なのは、『スーパーマン』の作者ジョー・シャスターとジェリー・シーゲルの例である。1947年に、DCコミックに対する利益配分を求める裁判を起こして解雇された二人は、1975年に全米漫画家協会の支援によりDCとの示談を成立させるまでの30年間、『スーパーマン』に対する権利を主張できなかった。1992年には、マーベル・コミックの看板作家7人が独立し、アーティスト本人に作品の著作権が帰属するイメージ・コミックを設立した。
アメリカン・コミックの歴史は、以下の時代別に区分される。
アメリカで最初に出版された漫画本は、近代コマ漫画の創始者として知られるスイスの漫画家ロドルフ・テプフェール(1799年?1846年)による『Les amours de M. Vieux Bois(ヴィユボワ氏の恋愛)』(1837年出版)の海賊翻訳版『The Adventures of Mr.Obadiah Oldbuck(オバディア・オールドバック氏の冒険)』(1842年)であると考えられている。