アミン (amine) とは、アンモニアの水素原子を炭化水素基で1つ以上置換した化合物の総称である。
置換した数が1つであれば第一級アミン、2つであれば第二級アミン、3つであれば第三級アミンという。また、アルキル基が第三級アミンに結合して第四級アンモニウムイオンとなる。一方アンモニアもアミンに属する。
塩基、配位子として広く利用される。
目次
1 アミノ基
2 物性
3 命名法
3.1 単純な形のアミン
3.2 IUPAC命名法
3.3 CA命名法
4 合成法
4.1 置換反応
4.2 還元反応
4.3 加水分解
4.4 人名反応
5 反応
6 主な化合物
7 関連物質
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アンモニア、第一級あるいは第二級アミンから水素を除去した1価の官能基 (-NH2, -NHR, -NRR') をアミノ基と呼称する。芳香環上に置換すると電子供与基としての性質を示す。
アミンは塩基性を有し、プロトン(水素陽イオン)が配位結合する。これは、窒素原子が非共有電子対を持つためである。アミンの塩基性の強さは窒素原子に結合しているアルキル基と密接な関係がある。炭素数が同じ場合、第二級アミンは第一級アミンより塩基性が強い。これは、アルキル基が持つ電子供与性によって窒素原子が負に分極することに拠る。しかし、第三級アミンは第二級アミンよりも塩基性が小さい。これは、アルキル基が3つ存在することで立体障害をもたらすためである。また、一般に芳香環に直結したアミンは塩基性が低い。これは芳香族炭化水素のもたらす非局在化による。
一般的なアミンの窒素原子はピラミッド型の構造をとる。このため3つ違う置換基のついたアミンは一見光学活性となりそうに見えるが、実際には窒素が反転を起こしやすいため、特殊な場合を除いてキラリティを持たない。
他にカルボン酸やアルコールがある場合はそちらを優先し、アミノ基を置換基とする。
窒素原子に結合したアルキル基にアミンを続けて表記する。
CH3NH2 ? メチルアミン
(CH3)2NH ? ジメチルアミン
(CH3)3N ? トリメチルアミン
以下に示すような方法がある。主鎖のとり方などの詳細についてはIUPAC命名法を参照。
母体化合物 NH3 をアザンとし、これを置換基名に付加する(この方法はあまり用いられていない)。
化合物の名称に対し、主基として接尾語「?アミン」を付加する(接合命名法)。
基の名称に対し、接尾語「?アミン」を付加する(基官能命名法)。
接頭語「アミノ?」を用いる(置換命名法)。
窒素を含むように主鎖をとり、その主鎖の中でメチレン (-CH2-) 基が窒素に置き換わった位置を「n?アザ?」の形で示す(代置命名法)。長鎖ポリアミンでなどで利用される。
CH3NH2
メチルアザン
メタンアミン
メチルアミン
アミノメタン
アザエタン
(CH3)2CHN(CH3)2
ジメチル(プロパン-2-イル)アザン
N,N-ジメチルプロパン-2-アミン
ジメチル(プロパン-2-イル)アミン
2-(ジメチルアミノ)プロパン
2,3-ジメチル-2-アザブタン
また、許容慣用名が認められている化合物がいくつかある。
C6H5NH2 ? アニリン
CH3C6H4NH2 (パラ置換) ? トルイジン
H2N?C6H4?C6H4-NH2 (いずれもパラ置換) ? ベンジジン
IUPAC命名法の 2 を用いる。ただし位置番号は置換基の前に付ける。
(CH3)2CHN(CH3)2 ? N,N-ジメチル-2-プロパンアミン
アミンはハロゲン化アルキルやスルホン酸アルキルエステルなどに対し、アンモニアやアミンなどが求核剤としてはたらく置換反応により合成される。ただし、立体障害の小さい基質の反応などでは、生成したアミンがさらに求核剤としてはたらき、二級、三級のアミン、さらに四級のアンモニウムとなる副反応が起こってしまう。このことは、特に一級アミンを合成したい場合に問題となる。その解決法として、フタルイミドカリウムとハロゲン化アルキルを反応させて N-アルキルフタルイミドとし、続く加水分解などで一級アミンを得る、ガブリエル合成が行われる。またハロゲン化アルキルとアジ化ナトリウムなどを反応させてアルキルアジドとし、これを還元(後述)する方法も有用である。
アリール基(芳香族基)をアミン上に導入する置換反応は、その芳香環上の適当な位置に電子求引基があるハロゲン化アリールの場合は SNAr 機構により進むことがある。活性の低いハロゲン化アリールでも、ウルマン反応やブッフバルト・ハートウィッグ反応といった、銅やパラジウム化合物を媒介とする反応によりアリールアミンへと変換できる。