アポストロフィー(英称:apostrophe)は、アポストロフィ、アポストロフとも呼び、欧文の約物の一つで、単語中(冒頭、途中、最後)で使われる記号である。コンマと同形であるが、コンマがベースライン上に打たれるのに対し、アポストロフィーは文字の上端に打たれる。また、英語のシングルクォーテーションの特に閉じる形と同形とするフォントもある。
目次
1 省略の表示
1.1 英語
1.2 ドイツ語
1.3 フランス語
1.4 エスペラント
1.5 その他
2 発音の表示
3 区切りの表示
4 類似の記号
4.1 プライム
4.2 ハーチェク
4.3 シングルクオート
5 符号位置
//
英語では、音の省略に伴い文字を省略したことを表す。しばしば複数の単語が一語に綴られるのに伴う。所有を表す接語の -'s は、古英語の所有格語尾 -es に由来し、アポストロフィーは省略を表した。現代英語では、所有の接語と複数語尾が同じ音になったため、正書法ではそれぞれ -'s, -s と書き分ける。複数形の所有は、-s' で表される。
the cat's (the cat + -'s)
the cats (the + cats)
また、コピュラ (be) および助動詞(have, will など)の接語形にもアポストロフィーを用いる。
I'm < I am
you're < you are
否定の not の接尾辞形には n't を用いる。
aren't < are not
can't < cannot
その他、音が省略された場合に、表記を発音に一致させるためアポストロフィーが使われる。
'cause < because
ev'ry < every
fo'c's'le < forecastle
o'clock < of the clock
'tis < it is
また、省略表記を表すためにアポストロフィーを用いる。この場合、発音は省略する前のままである。なお一般に語末の省略には終止符を用いる。
gov't < government(government と読む)
int'l < international(international と読む)
ドイツ語でも音の省略に伴い文字を省略したことを表す。
ist's < ist es
hab' < habe
フランス語では、エリジオンで母音が脱落したときに用いる。
l'ami < le ami
j'aime < je aime
c'est < ce est
また、省略に由来する語にも用いる。
aujourd'hui < au jour de hui
エスペラントでも音の省略に伴い文字を省略したことを示す。名詞語尾 -o を省略する場合や、母音で終わる前置詞の後ろにある定冠詞の母音 a を省略する場合に使われる。
名詞語尾 -o の省略
省略してもアクセントの位置は変わらない。対格や複数の名詞、-o で終わる相関詞は省略できない。
apostrof' < apostrofo
poezi' < poezio
定冠詞末尾の a の省略
de l' < de la
?e l' < ?e la
je l' < je la
tra l' < tra la
pri l' < pri la
pro l' < pro la
その他
dank'al < danke al, danko al 「〜のおかげで」 - 前置詞のように使う
un', du, tri < unu, du, tri 「いち、に、さん」- 声を出して数える場合などに、リズム合わせのため省略する
イタリア語では、2 語を続けると生じる母音の連続を避けるために先行する母音を省略するときに使われる。この場合、先行する語と後続する語は 1 語に綴られる。
2 桁の数字の前に置いて、西暦の年号の百位以上を省略したことを表す。
'90 < 1990
'04 < 2004
発音の表示
日本語のローマ字表記では、「ん」の後にあ行またはや行が続く場合、n の後にアポストロフィーを置いてな行との混同を避ける。
かんゆう:kan'y?
かにゅう:kany?
声門破裂音 [?] を表す。
テュルク諸語、ハワイ語などで用いられる。
アラビア語のローマ字表記で用いられる。
ベラルーシ語やウクライナ語では直前の子音と直後の母音を分けて発音させる(日本のローマ字表記と同様だが、直前の音が軟子音(口蓋子音)ならば硬子音非口蓋子音化する)働きを持つ。