アプロディーテー(またはアプロディタ、古典ギリシア語: ?φροδ?τη Aphrod?t?, ?φροδιτα Aphrodita)は、愛と美と性を司るギリシア神話の女神で、オリュンポス十二神の一柱である。美において誇り高く、パリスによる三美神の審判で、最高の美神として選ばれている。また、戦の女神としての側面も持つ。日本語では、アプロディテ、アフロディテ、アフロディーテーなどとも表記される。
元来は、オリエントや小アジアの豊穣の植物神・地母神であったと考えられる。アプロディーテーは、生殖と豊穣、すなわち春の女神でもあった。
目次
1 概説
1.1 東方起源の性格
1.2 金星の女神
1.3 ローマ神話での対応と別名
2 物語
2.1 アドーニス
2.2 アイネイアース
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
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ヘーシオドスによる『神統記』によれば、クロノスによって切り落とされたウーラノスの男性器にまとわりついた泡(アプロス、aphros)から生まれ、キプロス島(キュプロス島)に行き着いたという。これは、?φροδ?τη が「泡の女神」とも解釈可能なことより生じた通俗語源説ともされる。ただし、キュプロスとアプロディーテー女神のあいだには本質的な連関があり、女神が最初にキュプロスに上陸したというのは、アプロディーテーの起源とも密接に関係する。
一方、ホメーロスによればゼウスとディオーネーの娘だと述べられている。ローマ神話におけるウェヌス(英語読みでヴィーナス)に相当する。聖鳥はハト。
古くは東方の豊穣・多産の女神アスタルテ、イシュタルなどと起源を同じくする外来の女神で、『神統記』に記されているとおり、キプロスを聖地とし、「キュプリス」という別名を持つ。オリエント的な地母神としての性格は、繁殖と豊穣を司る神として、庭園や公園に祀られる点にその名残を留めている。また、これとは別に航海の安全を司る神として崇拝されたが、これはフェニキアとの関連を示唆すものと考えられる。
スパルタやコリントスでは、アテーナーのように、甲冑を着けた軍神として祀られていた。特にコリントスはギリシア本土の信仰中心地とされ、アプロディーテー神殿[1]には、女神の庇護下の神殿娼婦[2]が存在した。この所作もまた東洋起原のものとされる。
古くから崇拝されていた神ではないために伝えられる説話は様々である。ヘーパイストスの妻とされるが、アレースと情を交わしてエロースなどを生んだという伝承もある。アプロディーテーとエロースを結び付ける試みは、紀元前5世紀の古典期以降に盛んとなった。
本来、豊穣多産の植物神としてイシュタルやアスタルテ同様に金星の女神であったが、このことはホメーロスやヘーシオドスでは明言されていない。しかし古典期以降、再び金星と結び付けられ、ギリシアでは金星を「アプロディーテーの星」と呼ぶようになった。現代のヨーロッパ諸言語で、ラテン語の「ウェヌス」に相当する語で金星を呼ぶのはこれに由来する。
グレゴリオ聖歌でも歌われる中世の聖歌『アヴェ・マリス・ステラ』の「マリス・ステラ(Maris stella)」は、「海の星」の意味であるが、この星は金星であるとする説がある。聖母マリアがオリエントの豊穣の女神、すなわちイシュタルやアスタルテの系譜にあり、ギリシアのアプロディーテーや、ローマ神話のウェヌスの後継であることを示しているとされる。
ローマ神話では、ウェヌス(Venus)をアプロディーテーに対応させる。この名の英語形「ヴィーナス」は金星を意味すると共に、「美の女神」を意味する。
別名として、レスボス島の詩人サッポーはアプロディタ(Aphrodita)[3]と呼んでいる。またキュプリス(「キュプロスの女神」の意)という別名もある。キュプロス島には古くからギリシア人植民地があったが、キュプロスを経由して女神の信仰がオリエントより招来されたためとも考えられる。アプロディーテーとキュプロスには本質的な関係があった。
その海からの生誕伝説と関係して「キュテレイア(キュテーラの女神)」と呼ばれるほか、キュプロスの都市パポスにちなみ「パピアー(パポスの女神)」とも称される。