アニリン アニリン (aniline) はベンゼンの水素原子の一つをアミノ基で置換した構造を持つ、芳香族化合物のひとつ。化学式 C6H5NH2 で表される。分子量は 93.13、融点は −6 ℃、沸点は 184 ℃。アニリンはIUPAC命名法の許容慣用名であるが、系統名ではフェニルアミン (phenylamine) またはベンゼンアミン (benzenamine) となる。ほかに慣用名としてアミノベンゼン (aminobenzene) がある。 無色透明の液体で可燃性である。水には難溶だが、アルコール、エーテル、ベンゼンには易溶。弱塩基性であり、毒性を持ち、接触、吸入により速やかに人体に吸収され、中毒症状を起こす。中毒によってメトヘモグロビン
一般情報
IUPAC名アニリン
フェニルアミン
ベンゼンアミン
別名アミノベンゼン
分子式C6H7N
分子量93.13 g/mol
組成式
式量g/mol
形状無色液体
CAS登録番号62-53-3
SMILESNC1=CC=CC=C1
性質
密度と相1.02 g/cm3, 液体
相対蒸気密度(空気 = 1)
水への溶解度3.4 g/100 mL ( ℃)
アセトン、THFへの溶解度自由に混和
{{{溶媒3}}}への溶解度
融点−6 °C
沸点184 °C
昇華点°C
pKa
pKb9.40
比旋光度 [α]D
比旋光度 [α]D
粘度3.71 mPa・s (25 ℃)
屈折率
出典 ⇒ICSC
目次
1 性質
2 歴史
3 合成法
3.1 B?champ 還元法
3.2 接触還元法
4 アニリンの誘導体
4.1 おもな誘導体
5 脚注
6 関連項目
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さらし粉を加えると赤紫色を呈するが、実験室ではニンヒドリン水溶液を加えて紫系色変化から確認することがある。 また、酸化させると黒くなり、染料や顔料に使われている(アニリンブラック)。無水酢酸を加えるとアセトアニリドになる。
単独の素材として用いられることは少なく、染料、ゴムなどの化学製品、農薬や医薬品などを製造する際の中間物質として取り扱われている。
引火点70℃・発火点615℃で、消防法上の第4類危険物(第3石油類)に指定されている。
アニリンの2004年度日本国内生産量は 333,126 t、工業消費量は 58,786 tである[1]。
1826年、O.ウンフェルドルベンはインジゴを強く熱することで新しい有機化合物を得、これを「クリスタリン」と名付けた。1841年、K. フリッツェも同様の実験を行い、インジゴの原料となる植物「アニル(anil)」から「アニリン」の名を与えた。またこれと別に1834年にはフリードリッヒ・ルンゲがコールタールを蒸留した液体から新規物質を取り出し、「キアノール」と命名していた。後にA・W・ホフマンが彼らの実験を追試し、元素分析を行うことでこれらが全て同一の物質、アニリンであることを証明した。
1856年、当時18歳の少年化学者であったウィリアム・パーキンは、マラリアの特効薬であるキニーネを合成しようとアニリンを酸化する反応を試すうち、偶然紫色の染料を作り出した。彼は資産家であった親を説得し、この染料を作る工場を設立した。これが、以後数百種類製造されることになる合成染料の第1号である。
アニリンの合成法はいくつか知られているが、工業的な合成において代表的な B?champ 還元法と接触還元法について述べる。いずれもニトロベンゼンを還元(下式)することで合成する。
鉄と酸を用いてニトロベンゼンを還元し、アニリンを合成する方法である。塩酸を用いる場合、途中で生じる塩化鉄(II) はさらに酸化されて塩化鉄(III) になり、それらが反応して四酸化三鉄になると同時に塩酸が再生されるので、塩酸は触媒量でよい(基質の 2?3%)。