アナログコンピュータ(analog/analogue computer)は、電気的現象・機械的現象・水圧現象を利用してある種の物理現象を表現し、問題を解くのに使われるコンピュータの一形態である[1]。アナログコンピュータはある種の物理量を別の物理量で表し、それに数学的な関数を作用させる。実世界の系をコンピュータでモデル化することをシミュレーションと呼ぶ。
アンティキティラ島の機械は、既知の最古の機械式アナログコンピュータである。天体の位置を計算するよう設計されていた。1901年にアンティキティラ島で発見され、紀元前100年ごろのものと推定されている。
目次
1 アナログコンピュータの年表
2 電子アナログコンピュータ
3 ハイブリッドコンピュータ
4 機構
5 アナログコンピュータの部品
6 限界
7 最近の研究
8 実用的なアナログコンピュータ
9 理想のアナログコンピュータ
10 関連項目
11 参考文献
12 脚注
13 外部リンク
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アナログコンピュータの年表
1620 - 1630年 - 計算尺が発明された。
1876年 - 微分解析機が発明された。1920 - 1930年代に実用が開始された。
第二次世界大戦のころ、爆撃照準器などにアナログコンピュータが用いられた。
1950年代 - General Precision Systems の電子式アナログコンピュータ。
1950年代 - MONIACコンピュータ(水を使って国家経済のシミュレーションを行った)。
1960年ごろ - Heathkit EC-1(教育用アナログコンピュータ)
線形機械部品(ばね・制動装置)と電子部品(コンデンサ・コイル・抵抗器)の類似は数学的にも表現できる。つまり動作が同じ形の方程式でモデル化される。
しかし両者には厳然とした違いがあるため、アナログコンピュータに意味がある。質量・バネを使ったシステムを考えてみよう。物理的にシステムを作るには、まずバネ・おもりを買ってくる必要があり、これらを接続して適当な定着装置で固定し、適当な入力範囲に対応できる試験装置をつけて、最後に実測する。
電気的に等価なものは少しの増幅装置(オペアンプ)といくつかの受動線形部品だけで構成される。計測にはオシロスコープを使う。回路内では、質量にあたるものはポテンショメータで調節できる。この電気的システムは物理システムの類推であり、そのためにアナログコンピュータと呼ばれる。これは構築が安価で安全で簡単に変更可能である。電子回路はまた、シミュレート対象のシステムよりも高速に動作することが多い。したがって、シミュレーションは実時間以上に高速化され、即座に結果が得られる。
電気機械式のアナロジーの欠点は変数の範囲が限られることで、これをダイナミックレンジと呼ぶ。それらは雑音レベルによっても制限される。
電気回路を他の方法でシミュレートするのは簡単である。例えば、電圧は水圧でシミュレート可能だし、電流は水の流量すなわち毎秒何立方メートルというような値でシミュレート可能である。
電気システムの「アナログ」「デジタル」という言葉はしばしば正しく認識されておらず、混乱したあやふやな意味がまかり通っている。アナログシステムは連続的な時間によって連続的に変化する電気システムとしてしか理解されていない。上述のように不連続な関数もモデル化できるため、これは正しい理解とは言えない。実際「デジタル」にも正確な技術的定義が存在する。回路では、デジタルとは離散的な電圧レベルを符号として扱うことであり、それによって表される記号を操作するのがデジタルコンピュータである。電子アナログコンピュータは電圧や電流の波形を物理量として操作する。したがってアナログコンピュータの出力の精度は、その出力を読み取る機器における量子化に制限される。デジタルコンピュータの精度は有限だが、その限界は時間との兼ね合いだけで決まる。
デジタルコンピュータとアナログコンピュータを合わせたハイブリッドコンピュータと呼ばれる機器が存在する[2]。