アナト(‘nt [‘anatu])はウガリット神話の愛と戦いの女神。 嵐と慈雨の神バアルの妹とも妻とも言われる。
数々の戦いで多くの敵を殺した非常に好戦的な女神であり、ある時には腰まで血の海で浸されるほど多くの人間を殺してまわり、死者の頭や手を自分の腰に着けたという。
その一方で処女(btlt)の称号でも呼ばれており、バアルの姉妹の中で一番美しいとされ、兄バアルへの従順さと熱愛でも知られる二面性のある女神である。
こうした二面性のある性格から、同じく愛と戦いの女神であるメソポタミア神話の イナンナ/イシュタルと起源を同じくすると考えられており、同じくバアルの陪神であり 語源的にその名をイシュタルと同じくするアスタルトと同一視する説もある。
兄であるバアルを熱愛し、彼が「自分には専用の神殿が無い」と嘆いた際には、 最高神イルのもとに赴き、頭蓋を叩き割ると恫喝までして神殿を要求している。 実際にはこれは失敗しており、後にイルの妻アーシラトに贈り物をして、 神殿建設の願いを叶える。
またバアルがモートに殺された際には、モートを切り刻み、箕でふるい、これを焼き、 臼でひき、畑に撒くという壮絶な復讐を果たした。
またキプロスでは同じ戦いの女神であり、名前のよく似た(?ν?θ, ?θην?)アテナと同一視された。 カテゴリ: カナン神話の神 | 軍神
更新日時:2008年8月3日(日)13:45
取得日時:2008/08/23 11:11