アテーナー(古典ギリシア語: Αθηνα、別名、アテーネー:古典ギリシア語: Αθηνη)は、知恵、芸術、工芸、戦略を司るギリシア神話の女神で、オリュンポス十二神の一柱である。アルテミスと並んで処女女神として著名である。アテーナー女神・レリーフ
女神の崇拝の中心はアテーナイであるが、起源的には、ギリシア民族がペロポネソス半島を南下して勢力を伸張させる以前より、多数存在した城塞都市の守護女神であったと考えられている。ギリシアの地に固有の女神で、しかしヘレーネス(古代ギリシア人)自身は、この神をギリシアの征服と共に自分たちの神に組み込んだのである。
日本語では、アテナ、アテネとも呼び、表記される。
目次
1 概説
1.1 都市守護神
1.2 女神の誕生と三代の王権
1.2.1 誕生の異説
1.3 女神の祭儀と神殿
1.4 ローマ神話での対応と別名
2 物語
2.1 パラスとパラディオン
2.2 ギガントマキア
2.3 エレクトニオス
3 脚注
4 参考書籍
5 関連項目
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アテーナーは、古くからギリシアの地にあった城塞都市にあって、「都市の守護女神」として崇拝され来た。この崇拝の伝統は、ミノア文明まで遡る。その神殿は都市を象徴する小高い丘、例えばアテーナイであれば、アクロポリスに築かれているのが通常である。女神を都市の守護者とする崇拝は、ギリシア全土に及んでおり、アテーナイ、ミュケーナイ、コリントス、テーバイなどの有力な都市でも、その中心となる丘上には、女神の神殿があった。アテーナイは多くのポリスにおいて、「ポリウーコス(都市守護者)」の称号で呼ばれていた。
このようにアテーナーは、都市の守護者であり、アテーナーの戦いは、都市の自治と平和を守るための戦いで、ただ血生臭く暴力が優越する軍神アレースの戦いとは異なるものである。ホメーロスは、アレースを称える言葉を多く語っているが、英雄叙事詩においてはアレースは重要な存在である。
女神は、アテーナイのアクロポリスにパルテノーン(処女宮、Parthenon)の神殿を持ち、梟を自己の聖なる動物として持っていた。ホメーロスは女神を、グラウコーピス・アテーネー(glaukopis Athene)と呼ぶが、この定型修飾称号の「グラウコーピス」は、「輝く瞳を持った者」「灰色・青い瞳を持った者」というのが本来の意味と考えられるが、これを、梟(グラウクス)と関連付け、「梟の貌を持った者」というような解釈も行われていた。女神はまた、平和の印としてオリーブをその象徴としていた。
ヘーシオドスが『神統記』に記すところでは、アテーナーはゼウスの頭頂部より武装して鎧を纏った姿で出現したとされる。ギリシア神話の神々の歴史においては、オリエントの神々の歴史が示すのと同様に、三世代にわたる神々の長たる「王権」の移譲あるいは強奪があった。ギリシア神話ではそれは、星鏤める天の神ウーラノスの支配が第一の王権で、ウーラノスは原初の大地大神ガイアとのあいだに多数の息子・娘をなした。これがティーターンの一族である。オリュンポスの王権
ウーラノスの末子がクロノスであり、クロノスは母ガイアに教唆されて、絶対の権力を振るった父ウーラノスを不意打ちで攻撃し、ウーラノスの男性器を切り落とした。こうしてクロノスが神々の王権の第二の支配者となる。しかしクロノスはガイアとウーラノスの予言によって、彼もまた自分の子によって支配権を奪われるだろうとされた為、生まれてくる子供をすべて飲み込んだ。例外がゼウスで、ゼウスはやがて成人して兄弟姉妹たちを復活させ、クロノスの王権を簒奪する。
このようにしてゼウスを主権者とするオリュンポスの王権が誕生したが、ゼウスもまたガイアとウーラノスによる予言を受けた。最初の配偶者である女神メーティスとのあいだに生まれる子供は、最初に、母に似て智慧と勇気を持つ娘が生まれる、次には傲慢な息子が生まれるだろう。