アーケプラスチダ ⇒Archaeplastida
門:緑色植物門 ⇒Chlorophyta
綱:アオサ藻綱 ⇒Ulvophyceae
目:アオサ目 ⇒Ulvales
科:アオサ科 ⇒Ulvaceae
属:アオサ属 ⇒Ulva
Linnaeus, 1753
和名
アオサ
英名
⇒Sea lettuce
アオサ(石蓴)は海藻の一種。2層の細胞層からなる膜状体で一般に鮮緑色を呈する。日本各地・世界各地の沿岸に普通に見られ、海岸に打ち上げられた状態でもよく目にする。アオサノリとも。沖縄県ではアーサと呼ばれるが、この語はアオサだけでなくヒトエグサをも総称した呼び方である(アーサ汁など味噌汁の具として供される「アーサ」はヒビミドロ目のヒトエグサである)。狭義ではアオサ藻綱アオサ目アオサ科アオサ属の海藻を指す。広義にはアオサ科あるいはアオサ目の海藻をも含む。アオサ属の藻の形態には個体間に大きな差異が認められ、しばしば種レベルの同定が困難である。
目次
1 生態
2 種
3 緑潮
3.1 おもなアオサ大量繁殖報告箇所
4 利用
4.1 食用
4.2 飼肥料用
4.3 エネルギー用
5 関連項目
6 参考文献
7 脚注部
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アオサは一般的に潮の満ち引きのある浅い海の岩などに付着して生息・繁殖する。海水に浮遊した状態でも成長・繁殖する場合もある。
アオサの生活環は同型世代交代型であり、胞子体・雄性配偶体・雌性配偶体の3種の藻体が共存するが、これらの外見上の区別は不可能である。無性世代である胞子体が成熟すると、辺縁の嚢から4本の鞭毛を有する遊走子が遊離する。遊走子が有性配偶体になり熟成すると、性別があり2本の鞭毛を有する配偶子が遊離する。雌雄の配偶子は接合して胞子体に成長するが、配偶子がそのまま同性の配偶体になる無性生殖の生活環を有する種も存在する。遊走子や配偶子を放出した成熟個体は枯死する。
アオサの種の分類などは研究中で確定されていない。以下はおもに日本で見られる種を列挙したもの。
U. amamiensis ウシュクアオサ
U. arasakii ナガアオサ
U. armoricana
U. californica
U. conglobata ボタンアオサ
U. fasciata リボンアオサ
U. fenestrata チシマアナアオサ
U. japonica ヤブレグサ
⇒U. lactuca オオバアオサ
U. ohnoi ミナミアオサ
U. pertusa アナアオサ
U. reticulata アミアオサ
U. rigida
U. scandinavica
U. sublittoralis オオアオサ
このうち、ヤブレグサ(U. japonica)とウシュクアオサ(U. amamiensis)は深い海でも育成可能なため、アオサ属(Ulva)からヤブレグサ属(Umbraulva)とする動きがある。
アオサ科アオノリ属(Enteromorpha)のアオノリなどは、アオサと藻体の構造が異なっているものの、DNA分析などによりアオサ属に含める動きがある。
アオサの正式名称と紹介されることがあるヒトエグサ(Monostroma nitidum)(海苔の佃煮の原料)は、かつてはアオサ目に含まれていたものの、近年ヒビミドロ目に移された。
海水の富栄養化などが原因でアオサが大量繁殖すると緑潮(グリーンタイド)となる。その多くが不稔性のアオサである。稔性のアオサは遊走子や配偶子を放出すると枯死してしまうのに対して、不稔アオサは成熟せず成長し続けることとなる。
大繁殖したアオサは漁網に絡まり、沿岸に漂着したものが腐敗して悪臭を発し、多量に堆積すると底生生物を窒息状態に陥らせる。悪臭の問題は既に1921年に日本海藻学の祖である岡村金太郎によって指摘されていたが、顕著化したのは水質汚濁が進んだ1970年代以降である。アオサの大量繁殖は自然環境への打撃のみならず漁業や観光(海水浴・ウォータースポーツ・潮干狩り等)への経済的打撃をも与える。
しかしアオサは成長が早く、海水中の炭素・窒素・リン・栄養塩などを効率よく吸収するため、海水の浄化に寄与している一面も持つ。
日本各地で現出するアオサ緑潮の原因種は発生箇所や発生時によってさまざまだが、日本沿岸でよく見られるアナアオサ型、温暖海域生息のアミアオサ型とリボンアオサ型、そしてヨーロッパでよく見られるU. armoricana型の4分類群が原因種だと推定されている。
大量繁殖したアオサの活用法は緑潮問題を抱える自治体によって進められ、食料や飼肥料に転化させる動きもあるが、多くは回収されたのち焼却処分されるのが現状。