髭(ひげ)とは、人間の顔から顎の下にかけて生える毛のこと。髯、鬚とも書き、くちひげ(髭)、あごひげ(鬚)、ほおひげ(髯)で漢字を使い分ける。また、英語においても同様に使い分けられている。
目次
1 概説
2 ヒト以外に使われる例
3 髭の種類
3.1 くちひげ(ムスタッシュ)
3.2 あごひげ(ビアード)
3.3 ほおひげ(ホイスカー)
3.4 ラウンド髭
3.5 フルフェイス
3.6 その他
4 髭にまつわる事柄
5 脚注
6 関連事項
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男性ホルモンによって発毛が促されるため、思春期以降の男性に濃く生えるが人種、個人により濃さにかなりの差がある。また、女性でも民族によりひげが比較的濃い場合がある。体毛と比べると大変硬く、同じ太さの銅線に匹敵すると言われる。そのため髭を剃るときには蒸しタオルや湯で髭を柔らかくしておかなければならない。一人当たり6,000から25,000本程度の髭があり、平均すると一日当たり0.4mm程度伸びるとされている。新モンゴロイドは髭が薄く、これは寒冷気候(冬期は髭を延ばしていると、吐息で凍結して顔が凍傷になる)への適応と考えられている。
髭の有無やその容態はその人の印象に大きな影響を与える。そのため近代以降のヨーロッパやその文化的影響を強く受けた文化を持つ殆どの成人男子はカミソリ、電気カミソリ等を用いて、髭の手入れを日常的に行う。アレキサンダー大王が若く見られたいという理由から史上初めて髭をそったとする伝説もあるが、実際にはそれ以前から人間は貝殻等を用いて髭の手入れをしていたとされる。 紀元前3000年頃には銅製のカミソリを用いていたともされている。
成年男子のシンボルとしてみられることもあり、イスラム教圏では鬚を生やしていない男性は一人前と見られない(髭のない成人男性は同性愛者と外国人だけである)。またインドのシク教徒やアフガニスタンの最大民族であるパシュトゥーン人は戒律により一生髭を剃らない。アメリカのアフガニスタン侵攻が始まった時、日本人ジャーナリストが髭を生やし現地の人々の装束で入国しようとしたが、髭が短くてパシュトゥーン人らしくないからという理由で国境で見破られて拘束された。
日本でも、中世の武士は髭を蓄えることは当然とされ、髭のない顔は嘲笑された。そのため、髭の薄い者(豊臣秀吉が有名)には付け髭をつけることが行われた。その後、髭を生やす習慣は江戸時代初期に流行したが、「風紀を乱す」として禁止された。すぐに習慣は衰え、多くの武士も髭をそるようになった。西洋では18世紀頃から、特にヴィクトリア朝イギリスで髭を蓄えることが流行し、日本でも明治時代にはその影響から地位の高い男性の間では髭を蓄えることが流行した。
しかし現代においては、髭を生やす者よりも剃る者の方が圧倒的に多く、大多数の企業(特に接客業など)や高等学校までの学校では髭をはやすことを禁止していること、髭自体を嫌っている者も多く、特に中途半端な髭の生やし方が「無精髭」という俗称で呼ばれ、不衛生だと感じる人もいること、また、髭を生やすことを理由に解雇される、人事評価などの対象になる(脚注 1)ことがあるなど、諸外国と比較して日本における髭に対するイメージは非常に悪く、髭を生やすことはあまり普及していない。他方、アメリカで生活する日本人男性はそのままでは子供と間違われてしまうことがあるために髭を生やすこともある。
髭はヒトにおいて顔面の体毛が退化した後に、二次的に発達したものと考えられる。思春期以降に発達が始まることもこれを裏付ける。したがって、これにあたるものは他の動物にはない。しかし、顔に生える目立つ毛状のものをこう呼ぶ例はある。ネコの髭は洞毛という。
逆にイヌやネコなどでは口を中心とする頭部に特に長く突き出したまばらな毛が発達しており、鋭敏な触覚器として機能すると言われる。これを洞毛というが、ヒトにはこれは全くないものである。この洞毛のことをヒゲと言うことも多い。
毛でないヒゲの例としては、脊椎動物において、頭部近くに生える毛状のあるいは細長い突起物を指してヒゲということもある。この場合のヒゲは感覚器として役立っている場合が多い。(ナマズ、ドジョウ、ライギョなど)。オジサンは髭の生えた魚である。ヒゲクジラの場合、先端がすだれ状になった歯を鬚と呼んでいる。
無脊椎動物では、バッタなどの昆虫の触角を髭ということがある。クシヒゲムシ・ヒゲナガゾウムシ・ヒゲナガカワトビケラ・ヒゲナガガ・ジュズヒゲムシ・ヒゲナガハナノミ・ヒゲコメツキなど、いずれも触角の特徴で名付けられたものである。触手を髭という例もある。有鬚動物の和名はヒゲムシである。
また、植物のごく細い根などもヒゲ(ひげ根)と呼ばれることがある。