えら
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えら(鰓、腮、顋)とは、中で生活する動物が、水中の溶存酸素を取りこみ、体内の二酸化炭素を排出して呼吸(ガス交換)を行うための器官である。
目次

1 各動物の鰓の形状

1.1 軟体動物

1.2 節足動物

1.2.1 昆虫類

1.2.2 甲殻類


1.3 脊索動物

1.3.1 魚類

1.3.2 両生類

1.3.3 有羊膜類における鰓



2 文化的な見立て

3 関連項目

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各動物の鰓の形状

もともと生命中で誕生したとされる。動物が小さくて動きも鈍いうちは皮膚から直接酸素を取り入れるだけでこと足りていたが、やがて動物が大型化し、行動も活発になるにつれ、呼吸器としてえらができ、小さなえらで多くの酸素を一度に取り込めるよう機能的な発達をしてきた。鰓は動物の種類によって様々な形があるが、糸状や葉状、弁状の器官がたくさん集まっているという構造は共通している。これはなどと同じことで、より多くの酸素を取り入れるために表面積を増やす構造をとっているといえる。

他方、水中ではプランクトンやデトリタスといったセストン(懸濁物:けんだくぶつ)を食べる動物も多く、そのような動物では、鰓が摂食器官としての働きも兼ねており、鰓が水との接触面積を増やすのは、そちらの方でも効果が大きい。


軟体動物

貝類タコイカなどの軟体動物は、体表に目立った鰓はないが、外套膜に囲まれて外部に通じている腔所である外套腔内に鰓をもつ。通常、外套腔内に開口した肛門の両脇に対を成して鰓があるが、高等な腹足綱(巻貝類)のように片側一方だけになったものや、ツタノハガイ科のカサガイ類や狭義のウミウシ類のように本来の鰓(一次鰓)を失ったものもある。一次鰓を失ったものは体の他の場所の体表が突出して二次鰓を形成していることが多い。

アサリハマグリなどの二枚貝では、外套腔に通じる水管(取水管、出水管)が目立っている。これらの水管は外套膜の後端がのびたもので筋肉が発達しており、オオノガイやミルクイ、トリガイなどでは特に大きく発達する。マテガイなどは自切能力があり、捕食者に食いつかれると水管だけが切り離される。二枚貝は通常砂の中などに潜って生活しているが、この水管によって、外套腔の中の鰓に新鮮な水を送ることができるようになっている。二枚貝の鰓は非常に複雑な構造に発達しており、呼吸だけでなく、水中の餌を濾し取って食べる役割も兼ねている。

タコやイカなどの頭足類は、もともと2対の鰓を持っていたと考えられている。今日でも原始的な形態を保つオウムガイは2対4枚の鰓を持つ。しかしタコやイカではこの鰓が1対2枚にまで減少している。胴と頭の間から、鰓のある外套腔へ海水を取りこみ、漏斗から水を吐き出す。敵に襲われた時は漏斗から勢いよく水を噴き出すことでジェット噴射の要領ですばやく飛び退くことができる。


節足動物


昆虫類

そもそも昆虫類は陸上に適応した動物で、気門で取り入れた空気を気管で全身に運ぶことにより呼吸する。水生昆虫ゲンゴロウタガメ、タイコウチなども例外ではなく、生きるためには水面に尾部を突き出して息継ぎをしなければならない。

しかしカゲロウカワゲラトビケラトンボなどは、水生昆虫として水中で生活する幼虫期に鰓呼吸をするため、この期間は息継ぎをせずに生活することができる。これらの鰓は気管鰓と呼ばれ、薄い袋状、あるいは細かい糸状に突出した体表の突起の中に空気の入った気管が入り込んだ構造になっている。気管鰓の中の気管内部の空気と昆虫が生息する水の間で酸素と二酸化炭素のやり取りが起こり、この気管内の空気と全身の組織の間でガス交換が行われる。

カゲロウの幼虫は腹部に葉状の鰓、カワゲラの幼虫は胸部に房状の鰓を持つ。水中にミノムシやクモのような巣を作るトビケラ類も腹部に鰓を持つが、目立った鰓を持たないものもいる。

トンボでは、イトトンボ類やカワトンボ類の属する均翅亜目が尾部に3枚の外鰓を発達させている。その他のムカシトンボ亜目や不均翅亜目のトンボは目立った鰓を持たないが、直腸の内壁の構造が複雑化して気管鰓となっており、尾部から水を吸いこみ、直腸内で気管との間でガス交換を行っている。

昆虫としては例外的に、ユスリカの幼虫(赤虫)など一部の水生昆虫は血鰓と呼ばれ、気管が中に入っておらずに血液が循環する鰓を持っている。この鰓を持つ水生昆虫では鰓の中の血液と体外の水との間でガス交換が行われ、酸素や二酸化炭素は血液によって運搬される。


甲殻類

甲殻類は基本的に胸部付属肢の付け根の外側の外骨格が薄い袋状や細かい糸状に突出して鰓となっている。これは、本来は付属肢が二枝型であり、その外枝が鰓に特化したものに由来する。

オキアミなど体外に鰓が露出したものもいるが、エビヤドカリカニなどは胸部の背甲がひさし状に張り出して脚の付け根の鰓を取り囲み、この中の空洞で保護している。これらの大型甲殻類では鰓が体外に露出していないので、狭い隙間や砂の中に潜る生活に有利になっている。顎脚と呼ばれる頭胸部の付属肢の一部が水を動かす機能を持っており、鰓を納めた空洞の中の水を循環させている。

スナガニアカテガニなど、成体が陸上生活をするカニは、鰓で呼吸した水をいったん口から吐き出し、胴体の横を伝わせて、脚の付け根部分から再び水を取り入れる循環を行っている。鰓呼吸でありながら水を繰り返し利用することで陸上生活に適応し、かなりの乾燥にも耐えることができる。

ワラジムシ亜目に属するもの(ワラジムシダンゴムシフナムシなど)は、陸生であっても、鰓呼吸のために湿気などの水分を必要とする。



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen