いもち病(稲熱病)とは、イネに発生する主要な病気の1つ。単に「いもち」と呼ばれることも多い。
そもそも、「いもち」という名前が付けられていることから推察できるように、古来から稲に発生する定型的な病気であり、最も恐れられてきた。いもちが広範囲に発生した圃場では十分な登熟が期待出来なくなり、大幅な減収を招く。いもち病は、イネがいもち病菌(学名:Magnaporthe grisea、シノニム:Pyricularia oryzaeなど)に感染し発病することで起きる。いもち病菌はカビの一種であり、子のう菌に分類される。いもち病菌のアナモルフはPyricularia griseaである。
イネの品種によっても、いもち病に対する抵抗性には違いが見られ、コシヒカリやササニシキはかなり弱く、あきたこまちは並、日本晴はやや弱い程度である。
目次
1 病名について
2 防除対策
3 耐性いもち病菌
4 関連項目
5 外部リンク
//
いもち病は、それが発生する部位によって別の名前で呼ばれることがあるが、発現の仕方が違うだけで、原因となる病原菌は同一である。場合によっては、発生したイネの株がそれごと枯死することさえある。
葉いもち
穂いもち
節いもち
以下のような方法が有効であるとされる。
いもち病に有効な農薬(殺菌剤)使用。ただし、後述の通り耐性菌の発生に注意する。現代農法では、予防と防除の両面において薬剤使用が中心となっている。
いもち病の発生を予防するという観点からは、次の方法が有効である。
補植用の置き苗は焼却したり土中に埋めるなど、早めに処分する。葉いもちの防止に有効。
高温多湿を避け、通風を良くする。畦際の草刈りは有効な対策。
窒素肥料が施肥過多になることを避ける。
いもち病に強い品種(いもち病抵抗性品種)を選んで栽培する。
早期栽培・早植え栽培の作型をなるべく控える。
ただし、コシヒカリを中心とした、現代日本の食味優先の作付基準に従う限り、いもち病に強い在来品種への移行は困難であると考えられる。このため、いもち病に強く、かつ良食味である品種の研究が進められている。2003年(平成15年)に登録された「ちゅらひかり(奥羽366号)」という新品種は、その成果の1つである。コシヒカリの持つ特性を残しつついもち病に強いコシヒカリBLという新品種も登場した。
近年、いもち病の駆除に用いられる薬剤に対する耐性菌の出現が報告されている。薬剤耐性菌は、突然変異によってその耐性を獲得したものと考えられている。塩水選および種子消毒の徹底や、系統の異なる薬剤(殺菌剤)の使用が推奨されている。
関連項目
殺菌剤の歴史
外部リンク
⇒日本農薬「いもち病を効果的に防除するために」
カテゴリ: 植物の病気 | イネ | 子嚢菌
更新日時:2008年7月12日(土)15:13
取得日時:2008/08/26 19:59