ベータ崩壊(べーたほうかい、beta decay)は、弱い相互作用によって起きる放射性壊変の一群を意味する。この中にはベータ粒子と反電子ニュートリノを放出するβ?崩壊(陰電子崩壊)、陽電子と電子ニュートリノを放出するβ+崩壊(陽電子崩壊)、軌道電子を原子核に取り込み電子ニュートリノを放出する電子捕獲、二重ベータ崩壊、二重電子捕獲 ( ⇒double electron capture) が含まれる。
いずれのモードで崩壊しても、質量数は変化しない。つまり、ベータ崩壊は同重体を推移する現象である。
目次
1 ベータ崩壊の各モード
1.1 β?崩壊
1.2 β+崩壊
1.3 電子捕獲
1.4 二重ベータ崩壊
1.4.1 ニュートリノを放出する場合
1.4.2 ニュートリノを放出しない場合
1.5 二重電子捕獲
2 複数の崩壊モードを持つ核種
2.1 β?崩壊と電子捕獲
2.2 β+崩壊と電子捕獲
2.3 β?崩壊とβ+崩壊と電子捕獲
2.4 α崩壊とβ?崩壊
3 ベータ崩壊による壊変系列
4 関連項目
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各種ベータ崩壊のメカニズムを記す。ここでは電子を 、陽電子を 、陽子を 、中性子を 、電子ニュートリノを 、アップクォークを 、ダウンクォークを 、負電荷を持つWボソンを と表記する。なお、反粒子は(例えば のように)アッパーバーであらわす。
中性子が電子(ベータ粒子)と反電子ニュートリノを放出して陽子になる現象。単にベータ崩壊といった場合これを指す。一般的に、安定同位体よりも中性子の多い核種でβ?崩壊が発生する。
クォークのレベル(右図参照)では、次のように表される。
原子核内で起こった場合、原子番号が1つ大きい元素に変化する。、アルゴン42からカリウム42(半減期 32.9年)。
陽子が陽電子(ベータ粒子)と電子ニュートリノを放出して中性子になる現象。陽電子崩壊とも呼ぶ。一般的に、安定同位体よりも中性子の少ない核種でβ+崩壊が発生する。
クォークのレベルでは、次のように表される。
原子核内で起こった場合、原子番号が1つ小さい元素に変化する。、ネオジム132からプラセオジム132(半減期 1.75分)。
陽子が軌道上の電子を捕獲して中性子に換わり、電子ニュートリノと特性X線を放つ現象。ベータ粒子は放出しない。ε または EC (electron capture) と略される。書籍によって「軌道電子捕獲」と記述されることもある。
原子番号が1つ小さい元素に変化する。崩壊のメカニズムは大きく異なるものの、原子番号が1つ小さい同重体となる結果だけを見れば、β+崩壊と電子捕獲は同じものといえる。、アルゴン37から塩素37(半減期 36日)
電子捕獲に関しての詳細は記事電子捕獲を参照のこと。
ベータ崩壊が、ほぼ同時に2回起きる現象。1回のベータ崩壊が原子核の質量が増える変化であるため起こらず、ベータ崩壊が2回起きると質量が減る原子核に起きる。非常にまれにしか起きない現象であるため、半減期は非常に長い。
単に、通常のβ?崩壊などが二重に起きる。
ニュートリノが粒子と反粒子が同じであるマヨラナ粒子である場合などに起きる現象。標準理論では起きない現象であり、2006年現在未検証である。この崩壊を観測することにより、ニュートリノの質量やスピンについての不明な点が解明できる可能性があるため、研究が進められている。なお、前述のマヨラナ粒子が関係するもの以外に、超対称性などが関係して起きる可能性も示されている。
ニュートリノがマヨナラ粒子である場合、例えば次のように二重ベータ崩壊が起きる可能性がある。 (1つめのベータ崩壊) (反電子ニュートリノと電子ニュートリノは同一?) (2つめのベータ崩壊)
結局、全体では次のようになるので、ニュートリノは放出されない。
二重ベータ崩壊に関しての詳細は記事二重ベータ崩壊を参照のこと。
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