兄の偏見に取り入るために、君はナチスのソ連侵攻を舞台にしたボードゲームを発明したので、それを試してみるためにサイコロが必要なのだと説明する。兄はお前が作るものなど、どうせろくでもないものに決まっていると答えながらも、その内容には賛成してくれる。兄はそのゲームを後で見せてくれと君に言う。兄は君にハーケンクロイツで覆われた二個のサイコロをくれる。成功だ――君の嘘は見抜かれずにすんだらしい。さあ、君はいつでもゲームブックを始めることができる。しかし君がゲームブックをやるために部屋へ戻ったところへ、君の妹があらわれ、一緒に遊んでくれとせがみだした。
これからゲームブックを読むところだと言うなら、12へ進め
妹を手荒く放り出すなら、14へ進め
3
妹は自分が引き起こした揉めごとに喜びながら、君のゲームブックを持って駆けていく。君は妹よりは足が速いが、妹の方が小柄ですばしっこい。妹はなんとかトイレまでたどり着き、中から鍵をかける。妹に道理を説いて聞かせようとする君の努力もむなしく、トイレの水を流す音が聞こえる。君はゲームブックを失った。しかし、妹が出てくれば、君は妹を手に入れられるだろう。君は日曜の昼下がりを、妹と外で遊んですごす。
終わり
4
エメラルドヒルゾーンの猛スピードと華麗なグラフィックを期待しながら、君はどしゃ降りの雨の中をとぼとぼと歩いていく。君の両親が電話を使わせてくれないので、君は友達の家に前もって電話をしておくことができなかった。友達の家にたどり着くと、友達の母親が、彼は水ぼうそうにかかっていて誰にも会えないし、いずれにせよ君にうつるかもしれないということを、君に伝える。友達の家を離れようとしたときに、君は友達が起き上がってメガドライブをプレイしており、まったく病気には見えないのに気付く。
最初に戻ってやり直せ!
5
革のジャケットを着込みスキンヘッドにした兄は、鋭い目付きをしている。兄の部屋はハインリッヒ・ヒムラーが履いたという触れ込みのソックスなどの、ファシストの記念品で一杯だ。君がドアをノックすると、兄は振り向いて、ちびのクソ野郎が何をしにきたと尋ねる。君はもごもごと口ごもりつつ、サイコロをいくつか貸してくれないかと頼む。兄は嫌な笑顔を浮かべながら、ナチスの旗を降ろして、何のためにサイコロが要るんだと質問する。
ゲームブックのために要るのだと答えるなら、10へ進め
他の理由をでっちあげるなら、2へ進め
6
君はその剣を取ったことで、心ならずも怪物の群れを世界に解き放ってしまったために、罰として故郷の村から追放され、若い魅力的な女性の魔法使いと道連れになる。君たちは一緒に世界を旅しながら、怪物と戦ってレベルを上げ、最後には君の宿敵を打ち滅ぼし、世界を救う。
終わり
7
ひいきのチームが負けているところへ消しゴムをくれと頼まれたのが、ラクダの背骨を折る最後の一本の藁になった。更に、彼はひどく酔っ払っていた。父親は君を抱え上げて、本物の男に仕込もうと決心する。父親は君の手に一本の缶ビールを押し付けて、それを飲めと命令を下す。生ぬるく酸っぱい液体は君の目に涙をさそい、続けて何本かのビールを飲み干すうちに、君は完全に正体を失う。君は一日の残りを千鳥足でうろつきながら、げえげえ吐き続けることに費やし、ゲームブックのことは完全に忘れ去られる。
君の冒険は終わった。
8
テレビのある部屋に入ると、開けたてのビールの臭いが君の鼻を突く。太りすぎの中年の男が尻をソファーに落ちつけて、フットボールの試合を観ている。君は試合を観ていたわけではないが、それでも父親のひいきのチームが勝っていないのは分かる。父親の周りでは、床がビールの空き缶とつまみの容器で埋めつくされている。父親の努力にもかかわらず、君はスポーツが好きだったことは一度もなく、彼は今まで君に失望させられ続けてきた。うなり声をあげながら、父親は君になにがしたいのかと尋ねる。
ゲームブックをするから消しゴムをくれと頼むのなら、7へ進め
フットボールの試合を観たいと言うなら、17へ進め
9
君は懸命にロープをほどこうとするが、それはしっかりと結んであり、結び目は鉄のように固い。君に迫りつつある列車の轟音を耳にして、君の胃は口のあたりまで飛び上がる。絶望的に奇跡を願いながらも、君はこれでおしまいなのだということをうんざりするほど理解している。ウェールズ人の山賊たちが、また一人犠牲者を得たのだ。
君の冒険は終わった。
10
兄はしばらくの間なんとも言えない表情を浮かべ、そのゲームブックを見せてくれと君に頼む。君がゲームブックを持ってくると、兄はそれを君の弱々しく抱える腕からひったくり、入れ墨のある腕で君を押さえつけながら、でたらめに開いたページを嫌味たっぷりな声で読み上げる。君を辱めおえると、兄はゲームブックをごみ箱に投げ入れて君を部屋から叩き出し、今度俺の邪魔をしたらその頭をカチ割ってやるぞ、ちびのオタク野郎、と怒鳴りつける。
君の冒険は終わった。
11
ガレージは壊れたガーデニング用品と古いクリスマスツリーで一杯だが、君は以前ここで消しゴムを見たことがあるのをおぼえている。何年も昔の話だ。クモの巣の中で、君の父親のオートバイがカバーをかけられたまま錆びついている。父親は毎月のようにそれを修理するつもりだと言っているが、それはもう何年も手を触れられたことさえない。未使用のバーベキューセットの残りをかき分けて、君は消しゴムの付いた、折れた鉛筆のかけらを見つけ出す。成功だ! さあ、君は二個のサイコロを見つけなればならない。ことによると、破傷風の予防接種も。
兄にサイコロをくれるよう頼むなら、5へ進め
家庭用ボードゲームの中にあるサイコロを借りるつもりなら、15へ進め
12
妹が関心を持たないことを願いつつ、君が退屈なやり方でゲームブックについて説明していると、妹は君の腕からゲームブックを素早くひったくる! くすくす笑いながら、妹はゲームブックを持ったまま逃げていく。君は今すぐに決断を下さねばならない。
妹を追いかけるなら、3へ進め
妹のマイリトルポニーをつかみ上げて人質にするなら、20へ進め
13
君がロボット忍者の暗殺団から逃れて屋根の向こう側によじのぼると、空気はスモッグでにごっていた。君はできる限り素早く動くが、暗殺団の方が素早く、君が疲労するにつれて包囲の輪は狭まっていく。ビルの間を飛び移ったときに、毒を塗った手裏剣が君の左の尻を捕らえる。君はぬいぐるみの人形のように手も足もでないまま、下にある通りへと転がり落ちていく。
君の冒険は終わった。
14
君は妹を部屋から押し出しながら、自分の目の前から消えて一人で遊べと言いつける。これは大きな間違いだった! 今や妹はこれまで以上に君のゲームブックに興味をそそられ、力の限り兄ちゃんがぶったと泣き喚きだし、母親と父親を呼び寄せる。幸いなことに、兄はもう出かけた後だった。母親と父親が加わったことで、論争はもっぱら妹の側で急速に拡大していく。ぎすぎすした雰囲気があたりに満ち、日曜の午後は台なしになる。そして、君のゲームブックは没収される。
君の冒険は終わった。
15
君の家庭はそれほど裕福ではないため、その結果として多くのボードゲームをそろえている。しかし、モノポリーのようないいボードゲームはない。君はボードゲームをひっかき回し、ついにはなはだしく種類の違ったサイコロ二つを何とか見つけ出す。